アフマディーネジャード大統領、厳戒態勢の中イラクを訪問
2008年03月03日付 E'temad-e Melli 紙

マフムード・アフマディーネジャード大統領はイスラーム革命後初めて、イラン・イスラーム共和国大統領としてイラクを公式訪問した。2日間の日程で行われる今回の訪問は、イラクのジャラール・ターラバーニー大統領の招きで実現したもので、イラクは昨日朝、大統領宮殿にてイランからの客人らを出迎えた。

 アフマディーネジャード大統領は今回のバグダード訪問について、地域の平和と安全の確立に関心を抱く全ての人々にとって利益となるものだと指摘し、次のように述べた。「〔今回の〕イラク訪問は両国関係の強化、イラク国民とその政府の団結と自立、力強さへの支援、さらに両国民の連帯と地域における協調〔の促進〕を目的としている。これらは〔イラク当局との会談でも〕中心的な議題となるだろう」。

 イラン・イラク両国高官らによる協議の後、両首脳は共同記者会見の席に臨み、記者らの質問に回答した。アフマディーネジャード大統領のイラク訪問に同行した記者らは、イラン側一行の通行に対して、イラク軍が厳戒態勢を引いて警護している様子を伝えている。

 これらの報道によると、国防省やクルド・ペシュメルガに所属する部隊から構成された3万人のイラク大統領守備隊が、イラン大統領の警護の任にあたっているという。イラク警護隊は1メートルおきに、イラン高官団が通行する道路に配置され、全ての往来を厳しく監視している。

 これより前、今回の訪問では〔イランとイラクの間の国境を定めた1975年の〕アルジェリア協定が議題にのぼり、両国の大統領によって同協定の変更が行われるのではないかとの憶測が報道関係者らの間で流れていたが、昨日イラク大統領はこれを否定し、イラン側とはアルジェリア協定についていかなる話し合いも行われなかったと強調した。

 ターラバーニー大統領はイラン大統領と行った共同記者会見の場で、イラクはアフマディーネジャード大統領にとって第二の祖国だと述べ、次のように付け加えた。「イラン大統領のイラク訪問は、明確なメッセージを有するものだ。なぜならこれが、一国の大統領がイラク占領後に同国を正式な形で訪問した初めてのケースだからだ」。

 ターラバーニー大統領はまた、アフマディーネジャード大統領のイラク訪問が有するメッセージを地域各国も理解することに期待するとも述べた。「イラン国民は、苦境に陥っているときにイラク国民に救いの手を差し伸べてくれる友人である。今回の訪問の日程がもっと長ければと、心底希望していたが、〔残念ながら〕多忙その他の問題から、実現されなかった」。

 ターラバーニー大統領はさらに、《偽善者集団》〔※フセイン時代にイラクを拠点に活動していたイラン反体制派武装組織のモジャーヘディーネ・ハルグ(MKO)を指す〕のイラクからの国外追放について、「この集団のメンバーがイラク国内にとどまることは、イラク憲法で禁止されており、対策はすでに取られている」と強調した。

 アフマディーネジャード大統領もこの共同記者会見で、「力強く、統合し、発展を遂げたイラクは地域の全ての諸国民にとって利益となる」と強調、さらに今回の訪問は両国関係にとって新たな章の幕開けであり、協調的な雰囲気が地域にもたらされるだろうと評価した。

 今回のイラク訪問で、イラク当局者らと《偽善者ら》に関する問題について協議を行う予定はあるのかとの質問に対して、アフマディーネジャード大統領は笑みを浮かべて、「一体、偽善者はまだ〔イラク国内に〕いるのかね」とだけ答えた。

 アフマディーネジャード大統領はまた、イラクのヌーリー・アル・マーリキー首相とも会談し、二国間関係について意見交換を行った。今回の訪問では、モジタバー・サマレ=ハーシェミー大統領上級顧問、マヌーチェフル・モッタキー外相、ファッターフ電力相、及びラフマティー道路相が大統領に随行している。

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:13280 )