イラン人外交官、イラクでテロ攻撃の対象に
2008年05月17日付 E'temad-e Melli 紙

15日、バグダードでイラン人外交官4人がカーズィマイン〔※バグダード近郊のシーア派聖地〕に向かう途中、テロ攻撃の標的となり負傷した。

 在バグダード・イラン大使館関係者は、このように発表するとともに、この事件の詳細について次のように述べた。「イラン人外交官を乗せた車は、カーズィマイン参詣のためバグダードからの移動中にテロ攻撃にあった。この攻撃で外交官4人が負傷し、直ちに病院に搬送され入院する事態となった」。

 同関係者によると、外交官への今回の発砲事件は現地時間午後5時30分頃に発生した。外交官のうち1人は、喉に弾丸が命中し瀕死の状態であるという。4人の外交官のうち2人は外交パスポートを所持しており、あとの2人は公用パスポートを所持していた。

 ある消息筋はファールス通信に対し、「今回のテロ攻撃では、イマーム・ムーサー・ビン・ジャアファルとイマーム・ムハンマド・タキーの聖域に参詣するためにカーズィマインへと向かっていた我が国の大使館関係者の車が、《ラマダーン月14日橋》の名で知られる地域で、反対方向からやってきた一台の車から16発の銃弾を受けた」と明かした。
〔訳注:イマーム・ムーサー・ビン・ジャアファルは十二イマーム・シーア派の第7代イマームであるムーサー・カーズィムのこと。またイマーム・ムハンマド・タキーは第9代イマームで、イマーム・ムーサー・カーズィムの孫にあたる。この二人のイマームが埋葬されたことから、この地がカーズィマイン(二人のカーズィム)と呼ばれるようになった。〕

〔中略〕

 在バグダード・イラン大使館の広報官は、イラクでのイラン人外交官を狙ったテロ事件が両国の二国間関係に外交上の影響を及ぼす可能性はほとんどないとの認識を示した。

 ロサンゼルス・タイムズ紙はマヌーチェフル・タスリーム広報官の発言を引用する形で、このテロ事件が二国間関係に影響を及ぼす可能性はほとんどないとした上で、標的となったイラン人が全て政府関係者であったことから、政治的理由で狙われた可能性があると報じた。同広報官はまた、このテロ事件に関連した正式な証拠はいまだ公表されていないとしつつ、「イランとイラクの〔良好な〕外交関係に関心のないさまざまな組織や政党が〔犯行に関与した可能性が〕考えられる」と述べている。

Tweet
シェア


現地の新聞はこちら
関連記事(アルビールで拘束されたイラン人外交官2名、釈放される)

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:綿引香緒里 )
( 記事ID:13872 )