【政治部】アーヤトッラー・ハーメネイー・イスラーム革命最高指導者は昨日（6月9日）、イラクのヌーリー・マーリキー首相および同行の使節団との会談で、今のイラクの最も重要かつ根本的な問題は占領軍の存在にあるとし、次のように強調した。「我々は、イラク国民がその強い意志と団結により、現在の苦境を脱して、自らにふさわしい地位へとたどり着くであろうこと、そしてアメリカのイラクに対する野望が必ずや打ち砕かれるであろうことを確信している」。

　またハーメネイー師は、イラン・イスラーム共和国はイラクの政府と人民への支援を宗教的義務と考えていることを強調し、次のような期待を表明した。「イラク首相のテヘラン訪問と今回結ばれた合意は、イランとイラクの不可分のつながりをより強固なものにするであろう」。

〔中略〕

　アーヤトッラー・ハーメネイーは、イラク占領者、とりわけアメリカ軍の駐留とあらゆる合意を台無しにしようとする彼らの力こそ、イラクが一致団結する際の基本的な障害の一つとなっているとし、次のように指摘した。「占領者たちは、自らの軍事力と治安力とでイラクの内政に干渉し、いかなる〔正当な〕権利もなく、イラクの政府、国民、そして指導者たちに対して過剰な要求を行っている。このような占領者たちこそ、〔イラクにとって〕最大の問題であるといえる」。

　同師は、現在イラクにおいてアメリカが演じている役割は〔オスマン朝からの〕独立後イラク国内で生じた対立においてイギリスが演じた役割と酷似しているとした上で、「もちろん、アメリカは〔イギリスと比べても〕より一層図々しく、イラクの一致団結を妨害している」。

〔中略〕

　イランのダーヴーディー第一副大統領も同席したこの会談で、イラクのヌーリー・マーリキー首相はイスラーム革命最高指導者との再会に喜びの意を表明し、さらに様々な状況下でイランがイラク国民に惜しみない支援を行ってきたことに感謝した上で、「イラクはイランとの最高の関係・協力〔の構築〕を求めている」と強調した。

　マーリキー首相は、最新のイラク情勢と同国政府による治安問題をはじめとする諸困難の克服への努力を報告した上で、次のように語った。「イラクにおいて日常的に発生していた殺戮など、一部の問題はかなり減少してきているが、いまだ別の問題が残されている。しかし、イラク政府と国会は、イラクの人々の名誉と独立の回復を決意している。」

〔中略〕

イラン＝イラク間で防衛協力に関する覚書に調印

　ヌーリー・マーリキー首相のテヘラン訪問のフィナーレは、イラン・イラク両国防相による〔防衛に関する〕協力覚書の調印であった。

　イランのモハンマド・ナッジャール国防相とイラクのアブドゥルカーディル・ジャースィム・アル＝ウバイディー国防相が調印した今回の覚書で、双方は地域の平和と安定の強化に向けた両国間のバランスのとれた協力において、防衛協力は重要な要素であると評価した。またこの覚書では、地域の情勢不安の背景と諸要因に対し懸念を表明するとともに、これらの要因に対抗すべく合同安全保障会議の設立の必要性が強調された。

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（ 翻訳者:米沢佳奈 ）
（ 記事ID:14077 )