家族問題がらみの殺人20%増加:治安維持軍長官代行、過去5ヶ月間の犯罪について指摘
2008年09月10日付 E'temad-e Melli 紙
ゾルファガーリー司令官(写真:ISNA)
ゾルファガーリー司令官(写真:ISNA)

「今年に入って5ヶ月間(2008年3月〜8月)の家族問題がらみの殺人の発生件数は、昨年の同時期と比較して20%増加している」。国家警察長官代行はこう発表し、さらに次のように述べた。「同じ統計の中で、親族や知人による殺人は国内の殺人件数全体の30%を占めている」。

 昨日(2008年9月9日)、ホセイン・ゾルファガーリー司令官は90分間にわたる記者会見の中で、豊富な統計・情報を発表した。中でも、殺人をはじめとする犯罪の発生件数が2%増加したとの発表が、最も注目される。

 「今年の過去5ヶ月間の殺人事件発生率は、人口10万人あたり2.7人の割合で、世界で50番目に位置している。このうち国内で最も高いのはイーラーム州で、(10万人あたり)6.8人、最も低いのは南ホラーサーン州の0.005 人だった。殺人事件について注目に値する点は、そのうち50%以上が事前の動機や目的なしに起こっていることだ」。

 同司令官は殺害方法について、こう指摘した。「発生した殺人のうち、約41%が刀剣類による刺殺、約26%が銃器による射殺、15%が撲殺、10%が絞殺、5.5%がその他で、3%が不明であった。各殺害方法のうち、刺殺は昨年の同時期にくらべて4%減少しているものの、依然最も高い割合を占めている。こうしたことを背景として、銃器および刀剣類の所持者への刑罰をより厳格化するための法案が、別個に国会に提出されているが、いまだ可決される段階に至っていない」。

 治安維持軍長官代行はまた、国内における殺人の動機を列挙して、次のように言った。「国内で発生する重大犯罪の動機を構成するのは、けんか・口論が31%、倫理的問題、女性の貞操=家族の名誉に関わる問題、家族の確執がそれぞれ15%、強盗が3%、不明が26%、となっている。この統計の中で注目すべきは、女性の貞操=家族の名誉が動機で起きた殺人は、1386年(=昨年)の同時期とくらべて7%減っていることだ。強盗を目的とした殺害も60%減少しているが、家族問題が動機の殺人は20%増加している。被害者のうち77%が男性で、23%が女性だった(!?)」。

 ゾルファガーリー司令官は、イラン国内で1日あたり平均6件の殺人事件が発生していると発表したが、殺人事件の正確な発生件数については、公表を控えた。

〔中略〕

ラマダーン月に関連した事件、1029件に

 治安維持軍長官代行はまた、先週6500人以上がラマダーン月に関連して注意処分を受けたとした上で、次のように付け加えた。「これらの連中は、おおっぴらに断食破りをした者や、〔断食中に食事を提供するなど〕営業に関する通達事項を守らなかった店などである。そのうち、店舗関係者は757名、〔タクシー/トラックの〕運転手は766名で、すでにそれとの関連で1029件が立件され、277件には司法の判決が下されている。閉鎖・封印措置を受けた店舗も208店舗にのぼる」。

 同長官代行はその上で、「これらの違反者に対しては、禁錮刑や罰金刑について記したイスラーム刑法第638条にもとづき、処分が行われる」と強調した。

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( 翻訳者:米沢佳奈 )
( 記事ID:14731 )