各銀行の回収遅延債権、27兆トマーンに
2008年11月11日付 Jam-e Jam 紙

【経済部】信じがたいことかもしれないが、しかしこのバッド・ニュースをお伝えしないわけにはいかない。27兆トマーン〔約2兆7千億円〕の銀行資金が、現在債務者から回収できずにいるというニュースのことだ。

 ここ1ヶ月半の間、国の政治・経済関係者らは口々に、資金の借り手からの返済が遅れている各行の未回収債権について不満を表明してきたが、しかしその額は「巨額に上る」というばかりで、正確な数字について言及した人はいなかった。

 しかし本紙記者が中央銀行から得た情報は、それがいかに巨額かを示すものであった。そしてさらに残念なことに、その額は今も増え続けているというのだ。

 中央銀行総裁代理のホセイン・ガザーヴィー博士は本紙記者に次のように証言した。「公式の統計によると、銀行の回収遅延債権の額は87年シャフリーヴァル月末〔2008年9月下旬〕の時点で、27兆トマーンに上る」。

 「この額は、86年シャフリーヴァル月と比較して、12兆トマーン〔1兆2千億円〕増加した。つまり15兆トマーンから27兆トマーンに増えたということだ」。

 ガザーヴィー中央銀行総裁代理はこのように述べ、さらに次のように続ける。「公式の統計によれば、銀行融資の総額に占める遅延債権の割合は、昨年シャフリーヴァル月末の10.8%から、今年のシャフリーヴァル月末には15.9%に上昇した。昨年から現在までの遅延債権の上昇率は、83%に上る」。

 今回初めて明らかにされたこの統計が示すのは、いかに巨額の資金(それは国民の預金によるものだ)が一部の、時に不当利得を企む不良債務者の元で「凍結」されているかということだ。この資金が解放されれば、資金不足に苦しむ銀行、そして国全体にどれだけ大きな利益をもたらすか、容易に想像できよう。資金を回収し、〔不良債権となることが確実な〕貸し付けの継続を防ぐためにも、この問題の原因究明が不可欠だ。

原因

 あるおおざっぱな調査が示すところによれば、回収遅延債権の発生・蓄積の原因には二つある。一つは、事業計画がずさんで、時に融資の際にコネが介在していることであり、もう一つは、融資や回収に対する監督システムが機能不全に陥っていることである。

 これら二つの要因の他にも、融資の際のルールを無視して、回収の見込みのない一部借り手に資金を貸し付けるよう銀行に求める理不尽な圧力の存在や、経済状況の悪化にともなう融資の焦げ付きなどの要因も付け加えることができよう。

 また、「新規小規模事業者育成計画」や、各州のタスクフォースが認可し銀行に融資の紹介を行った事業などにも、この問題の原因を探ることができよう。

 司法権法案・計画編成局のジャヴァード・タフマーソビー局長は、この問題について本紙記者に次のように語っている。「銀行の遅延債権問題には多くの原因があるが、最も重要な原因の一つとして、融資を行う際の貸し手に対する銀行の対応、つまり彼らが担保を設定する時のやり方を挙げることができる。銀行は融資の際、回収に問題が生じないよう、担保の設定に関する法律を正確に守る必要がある」。

〔後略〕

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( 翻訳者:斉藤正道 )
( 記事ID:15109 )