運命を商売人に託すことなかれ!:協議離婚仲介業の実態
2008年10月06日付 Jam-e Jam 紙

【社会部:プーラーネ・モハンマディー】「協議離婚、一日で解決(スグです)。旦那様・奥様にご足労頂く必要はありません。ご連絡お待ち申し上げます。○○弁護士会」

 驚くことなかれ。これはジョークなどではなく、私たちの町の北部地区の通りの壁に実際に張り付けられている広告なのだ。ここテヘランに限っても、この種の広告は複数目にすることができる。これはそんな一例にすぎないのだ。そしてこれは、テヘランで金儲けをする、最も手っ取り早い商売の広告なのである。

 これまでは大小様々な広告を使って顧客の目を引き付け、儲かる商売として精を出していたのは、大学入試関連の団体や薬物中毒更正クリニックなどだけだった。しかし現在町の一角でわれわれの目に飛び込むのは、協議離婚斡旋の異様な広告ばかりである。広告主たちは、家庭裁判所での離婚手続きが長引き、自らの法的権利をまっとうできずに悩んでいる女性たちに対して、最も簡単で手っ取り早く自身の目的を達成するための方法を売り込んでいるのだ。

 金儲けにうってつけのこの商売の広告主たちは、「にごった水から魚を得よう」としている。彼らは、そもそもの目的は人々の苦労を代行することだなどというふりをしてはいるが、実際に彼らが行っているのは、離婚、それも協議離婚という不幸な現象を煽ることなのである。彼らは特に若い夫婦に対して、根本的な解決策を見つけ出し、和解へと至るための努力をする代わりに、最も簡単で最も手っ取り早い方法を考えるよう、奨励しているのだ。

一日で離婚できます!

 広告に書かれていた電話番号に連絡してみた。テヘラン市北部の、とある通り沿いにある法律事務所だ。電話の向こうにいる若い女性に、仕事の方法について質問してみた。彼女は次のように答える。「もし奥様も旦那様も完全に合意に達していらっしゃれば、一日、最長でも二日以内で離婚できますよ。男性はサインをし、女性は妊娠検査をするだけです」。

 事務所の法律顧問だと名乗るこの若い女性は、私に次のように説明する。「申し込んだご夫婦のご希望に応じて、男性の弁護士か、女性の弁護士かを選択することもできます」。

 協議離婚にかかる費用は、40万トマーン〔約4万円〕(女性側に20万トマーン、男性側に20万トマーン)であるが、もしも夫婦のどちらかが法廷への出廷に心配・不安を抱えている場合は、事務所から弁護士を雇うこともできる。そのような場合には20万トマーンが料金に上乗せされるという。

 この女性によれば、協議離婚が最も良く、最も簡単に夫婦が別れるための方法であるという。夫婦が我慢して共同生活を続ける必要はなく、また家庭裁判所の廊下で何ヶ月も頭を悩ませ、苦労に耐える必要もないからだ――実際、これは極度の精神的緊張を伴うものだ。彼女はまた次のように言う。「これまで協議離婚のために、この広告をご覧になった多くのご夫婦からお問い合わせをいただきました。もちろんお客様のご用件も、迅速に処理されています」。

 最近では、5件の結婚のうち、1組の夫婦は離婚する世の中だ。協議離婚は近年国内で増加している。離婚請求に対する裁判所の審理手続きが長引くケースが多く、男性が女性に対する法的な〔扶養料の〕支払いを逃れようとするため、女性たちは協議離婚を求めるケースが多いのだ。協議離婚の40パーセントは婚約期間中に起きており、協議離婚が最も多いのはテヘランとなっている。これらはすべて、ここ最近夫婦、特に若い夫婦の間で協議離婚が増加し、夫婦の共同生活の期間がどんどん短くなっているという、危機の到来を知らせる警報ベルなのである。

〔後略〕

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( 翻訳者:大場麻子 )
( 記事ID:15111 )