首都上空に黒い怪物:テヘランの大気汚染、警戒レベルに
2008年12月16日付 Jam-e Jam 紙


【社会部:プーラーン・モハンマディー】「命が大切なら、今日家の外には出ないで下さい」。これはジョークなどではない。テヘラン市民、特に心臓や呼吸器系に病気を抱えている人、お年寄り、子ども、そしてほんの少し大気汚染の濃度が上下しただけで体調を崩し、危険な状態に陥る可能性のある全ての人に対する、真剣な警告なのだ。

 首都テヘランの大気が何度も「不健全」レベルに陥った先週、89名のテヘラン市民が死亡したとの報道により、事態の深刻さが改めて浮き彫りとなっている。実際この89名の方々は、交通事故や麻薬の常習などが原因ではなく、大気汚染による心臓の停止が原因で亡くなっているのだ。

 大気汚染という名の黒い怪物は、またしても死の影をテヘラン市上空に広げているが、本日の終わり——テヘランの大気は現在「警戒」レベルにある——までに何人の命をさらに奪い取っていくのか、予断を許さない。

 先週木曜日のことを覚えているだろうか。その日の前日の夜、様々な機関の大気汚染問題の関係者らから、「テヘランの大気汚染は警戒レベルにあるので、子供たちやお年寄り、心臓や呼吸器系に疾患のある人々は、木曜日は家の外に出ないように」との呼びかけがあった、あの日のことである。

 その結果、被害を受けやすいとされた人々だけでなく、その他の多くの市民も重要なスケジュールや仕事をキャンセルして、健康のために自宅に留まることを選択したのであった。

 その一方で昨日、興味深い出来事が起きた。州当局とテヘランの大気の状況を監視している会社との間で、木曜日の大気汚染について見解の相違が露わになったのである。もちろん、こんなことは特に珍しいことでもないのだが、何とテヘラン州は保健省大気衛生委員会の調査に基づき、木曜日のテヘランの大気の状況は警戒レベルにはなかった、などと主張しているのだ!

 その一方で、テヘラン市が運営する「テヘラン市大気監視会社」の関係者は、大気汚染について見解を表明するもう一つの関係機関として、州当局の発表に反論する形で、木曜日のテヘランの大気は警戒レベルにあったことは数値からも明らかであると発表した。彼らはその上で、仮に州当局がこの状況を理解せずに、大気汚染緊急事態委員会を適切に立ち上げていなかったのであれば、市民の命を軽んじたことの理由をきちんと説明する責任があると噛み付いたのである。

〔中略〕

 テヘランの大気は今日も警戒レベルにあり、関係者らによると、このような状況は今後数日間は続くだろうと予測している。このような中、「大気は汚染されているのか、汚染されていないのか」、「大気の汚染レベルは不健全レベルないしは警戒レベルにあるのか、ないのか」、「対策会議を設置すべきか否か」、「市民に情報提供をすべきか否か」といった議論をめぐり、大気汚染問題を扱う複数の関係機関の間で意見対立が続いている。しかしそうこうしているうちに、テヘランの大気汚染という名の黒い怪物が、今後何人の犠牲者を飲み込んでいくのかという問いは、不明なまま残されているのだ。

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:15372 )