ガーリーバーフ、出馬の動機はハータミーに対抗するため?
2009年03月03日付 E'temad-e Melli 紙

【アクバル・モンタジャビー】モハンマド・バーゲル・ガーリーバーフが次期大統領選に出馬することは間違いないだろう。しかし彼の目的は、アフマディーネジャードに対抗するためではなく、都市の中間層から票を集め、ハータミーに対抗するためだ。

 これより前、セイエド・モハンマド・ハータミーが大統領選への出馬を表明した場合は、自身は出馬しないとの内容が、ガーリーバーフの発言として伝えられていた。ガーリーバーフが自身の見解を撤回し、アフマディーネジャードではなくハータミーと争うことを選んだ背景には、何があったのだろうか。


 約3ヶ月前のこと、ガーリーバーフ・テヘラン市長からハータミーに向けて、あるメッセージが送られた。ガーリーバーフの顧問らがハータミーの側近たちに接触し、選挙をめぐるハータミーの状況について探りを入れたのだ。ガーリーバーフ側の接触相手はタージザーデ〔元内務次官〕だったと言われている。

 ガーリーバーフ側はこの中でハータミー側に対し、ハータミー師は果たして選挙に出馬する意向なのかどうか、同師の見解を知りたいと質問したという。これに対しガーリーバーフ側が耳にした回答は、「ハータミーは出馬する。必ず出馬する」というものだった。タージザーデも後日、ある人物に対し、ガーリーバーフ側から接触があったこと、そしてガーリーバーフ側にハータミー出馬は間違いないと伝えたことを認めている。

 その一方で、ガーリーバーフ顧問団は調査機関に世論調査の実施を依頼している。彼らが注目するのは中間層だ。通常選挙結果を左右する浮動票に、彼らは狙いを定めているのである。彼らは、マフムード・アフマディーネジャード、セイエド・モハンマド・ハータミー、そしてモハンマド・バーゲル・ガーリーバーフの三者に関し、現大統領とその実績、前大統領とその政策、そしてテヘラン市長に対する中間層の評価を調査するよう依頼したという。調査が行われたのは〔テヘラン〕市内各地で、調査を依頼されたのは、実績の高い信頼のある一部機関とのことである。


 他方、ガーリーバーフは自らの置かれた政治的状況について曖昧なままにとどめておきたいと考えているようだ。不出馬を明確にすることも、出馬と理解されるような言動をみせることも、控えているのである。時折、政府に対して異議を申し立てることもあれば、政治から明確に距離を置こうとしているときもある。しかし舞台の裏側で、ガーリーバーフがさまざまな動きを見せていることは周知の通りだ。

〔中略〕


 「私かミール・ホセインのいずれかが、選挙に出馬する」との表明の後、ハータミーが意表を突く形で選挙への出馬を表明したことは、ガーリーバーフ広報チームに衝撃を与えた。彼らは以前からハータミーの出馬は確実との情報をつかんではいたが、しかし選挙がらみでハータミーがハーメネイー最高指導者と面会を行い、そのことをめぐり一部で〔ハーメネイー最高指導者から出馬しないよう説得されたとの〕噂が立ったことから、ハータミーは出馬しないのではないかとの見方が強まっていたからだ。

 しかしハータミーは出馬を決意した。このような中、第二の出来事が起きた。世論調査の結果がガーリーバーフ事務所のもとに送られてきたのだ。結果は、ガーリーバーフが期待した通り、ハータミーが勝利を収めることはないというものだった。

 三つの調査結果が、ガーリーバーフのテーブルの上に置かれた。ガーリーバーフ周辺のある人物によると、ハータミーは〔1997年、及び2001年に比べて〕獲得票を落とすという結果が出たという。ガーリーバーフ顧問団の結論は、前大統領(ハータミー)、現大統領(アフマディーネジャード)、テヘラン市長(ガーリーバーフ)の三択のうち、ガーリーバーフこそイランの今後を担う可能性が高い、というものだった。換言すれば、アフマディーネジャードが通った道は、ガーリーバーフにも用意されているというのだ。

 ガーリーバーフ周辺の動きはにわかに慌ただしくなった。彼らはハムシャフリー紙以外の活字メディアを必要としていた。ちょうどそのころ、イスラーム革命聖戦士機構の若手によってアフマディーネジャードを批判・誹謗する記事が出されたことが原因で発行停止処分を受けていた「テヘラン・エムルーズ」紙が、裁判所から無罪の判決を受けていた。ガーリーバーフらは、この新聞の再開を決定する。

 こうして最初の一歩が踏み出された。次に、ライバルはアフマディーネジャードではなくハータミーだということを納得させるような「特別なメッセージ」が、ガーリーバーフのもとに届いた。ハータミーの出馬が濃厚になり、原理派の一部から懸念が表明されたことを受け、「ハータミーが獲得することのできる都市中間層の票に対して、自らの出馬と政策によって影響を与えよ」との「司令室」からの指導によって、ガーリーバーフは出馬を決意したとされる。浮動票こそ、ハータミー事務所が出馬に際して特別に狙いを定めていた票に他ならない。
〔※「特別なメッセージ」、「司令室の指導」というのは、恐らくハーメネイー最高指導者の指示を暗に示唆しているものと思われる〕

 さて今度は、ハータミーがいかなる計画を準備しているのか、今後を見守る必要があろう。ハータミーのシーラーズ訪問は、彼とその支持者らにとって特別の重要性をもつはずだ。たとえ、この訪問がメフディー・キャッルービーやミール・ホセイン・ムーサヴィー、モハンマド・バーゲル・ガーリーバーフ、そしてマフムード・アフマディーネジャードといった彼のライバルたちの決意に、何ら影響を与えるものではないとしても。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
関連記事(レザーイー、ガーリーバーフ両元司令官、大統領選への出馬に向け準備着々)

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:15992 )