来年度予算法案、総則が可決:細則の審議が開始
2009年03月09日付 Jam-e Jam 紙

【経済部】88年度〔2009年度〕予算法案の審議が年末を目前に控えた時期に、国会公開本会議場で始まった。しかし同法案の行方にはいまだ不透明な点が多い。著名な経済専門家らはすでに、88年度予算法案に対して重要な批判を加えている。

〔中略〕

 ジャーメ・ジャム紙経済担当記者の報告によると、国会は88年度予算法案の審議初日、同法案総則を審議し、反対・賛成両派が自らの見解を披露した。

 予算合同委員会のスポークスマンを務めるモハンマド・メフディー・モファッタフ議員は、同委員会が承認した予算案について説明、同委員会で承認された予算総額は〔政府が提出した予算案に比べて〕5.7%増加されたことを指摘し、「政府が提出した予算総額は282兆トマーン〔約28兆円〕であったのに対し、委員会は総額を298兆トマーンに増やした」と述べた。

〔中略〕

 予算合同委員会の報告によれば、88年度予算における政府の外貨資産は、今年度予算に比べて330億ドル減少し、わずか377億ドルになることが見込まれている。

 また、1バーレルあたりの原油売却価格は37.5ドル、1ドルは950トマーンと想定されており、この点については予算合同委員会で修正が加えられることなく、政府の想定がそのまま承認されている。

 さらにこの報告よると、「ファイナンス」(投資のために海外からの資金を活用すること)の額はわずか60億ドルと見込まれており、これまでいまだに実行に移されてこなかったプロジェクトに優先的に活用することが予算合同委員会で決まったという。

 来年度予算案の特徴として注目に値するのは、中央銀行が15億ユーロの外債を発行することになっていることだ。この外債は開発プロジェクトに優先的に利用されることになっている。また、20兆リヤール〔約2千億円〕の市債発行も、予算合同委員会で決定されている。

 政府予算と石油収入の関係透明化を図ることも、予算合同委員会で決定されている。それによれば、石油収入の94%は直接国庫に納められ、残りの6%が「所有者取り分」(開発費にまわされたり石油省の資産として留保されるお金)として、政府の手元に残される。また、石油収入の3%はサウスパールス〔ガス田〕開発に充当される予定となっている〔‥‥〕ことなどが、88年度予算合同委員会報告の注目点として挙げられるだろう。

〔中略〕

 予算法案に対する賛否両論が議員らによって表明された後、投票が行われ、その結果同法案総則はわずか賛成148票によって可決された。賛成票がこれほど少なかったのは、前代未聞の出来事である。というのも、〔議員総数の?〕3分の2以上が法案総則に賛成するというのが、これまで一般的だったからだ。来年度予算法案総則に反対票として56票が投じられ、棄権した議員も14人にのぼるという事態は、国会での予算可決の歴史にとって初めての出来事である。それに加え、予算法案総則をめぐる〔公開本会議での〕論戦が5時間も経たずに終わったことも、予算審議にとって初めてだった。

 国会は昨日午後の公開本会議で、予算法案の細則についての審議に入った。まず政府の歳入部門に関する審議・可決が行われ、その後支出部門に関する審議が行われる予定だ。

 国会は木曜日までに、予算法案の審議を終えなければならない。

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( 翻訳者:斉藤正道 )
( 記事ID:16026 )