イラン石油相、イラン=ヨーロッパ間のガスパイプライン計画を発表
2009年04月01日付 Jam-e Jam 紙

イラン石油相は、イラン産天然ガスのヨーロッパ向けルート「ペルシャン・パイプライン」構想について発表した。シリアを訪問中のゴラームホセイン・ノウザリー石油相は、シリア石油相との会談後、記者らに対し「イラン産天然ガスのヨーロッパ向け新ルートは、イラク、シリア、地中海を通って、ギリシア及びイタリアに輸送する予定だ」と述べた。

 報道中央局が伝えたところによると、ノウザリー石油相はさらに「これまでイラン産天然ガスの輸送をめぐっては、様々なルートが提案されてきたが、われわれが見るところ、イラク、シリア、そして地中海を通るルートが最善である。シリアの協力によって、この構想が実現されることを望んでいる」と述べた。

 同石油相はまた、ヨーロッパ諸国はイランからガスを購入することを真剣に考えていると再度指摘した上で、「新ルートに関し、ヨーロッパ側と交渉をしているところだ」と語った。

 「われわれはそのために、様々なルートを検討してきた。しかしこの〔イラクとシリアを通る〕ルートが通過する国々にとっても良いだろう。今回の訪問を契機に、シリア石油相の協力を得ることで、この構想の実現に向けて加速していきたい」。

 ノウザリー石油相はこのように述べ、さらに石油・ガス分野でのイランとシリアの協力について、次のように指摘した。「エネルギー分野での海外との協力を検討するにあたって、シリアとの協力がイラン・イスラーム共和国にとってナンバーワンのプライオリティとなっている」。

 イラン石油相は、シリアのホムス県に予定されている石油精製施設の建設にイランとベネズエラが参加することは、イランとシリアの協力関係がイランにとって最も高い優先順位を与えられていることを象徴するものであるとした上で、「ベネズエラ側とも、同プロジェクトの建設を急ぐことに関して、協議を重ねてきた」と語った。

 ノウザリー石油相はまた、トルコ経由でシリアにイラン産天然ガスを輸送する計画についても触れ、「シリアは急速に成長・発展しており、石油やガスを初めとするエネルギー源を必要としている。イランにとっても、シリアが必要としているガスの一部を供給できる良い機会だ」と述べた。

 シリア石油相も、イラン・イスラーム共和国のエネルギー部門での協力に感謝の意を伝えた上で、「今回の訪問は、これまで交わされてきた合意実施を加速させる良い機会だ」と語った。

 スフヤーン・アッラーウ石油相はさらに、「精製施設の建設やイラン産ガスの輸送をはじめとする諸々の合意を再確認し、速やかに実施することは、イラン・シリア両大統領も強調していることであり、両国の石油省もこのことに真剣に取り組んでいる」と述べた。

 その上で、「現在の鋭意努力によって、2010年末までにイラン産ガスのシリアへの輸送が実現するだろう」と付け加えた。

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( 翻訳者:斉藤正道 )
( 記事ID:16123 )