アフマディーネジャード大統領支持者らによる100万人規模の大集会、テヘランで開かれる
2009年06月09日付 Iran 紙


【政治部】昨日、大統領はテヘランのモサッラー〔※〕でテヘラン市民と面会することが予定されていた。しかし、アフマディーネジャードを愛する百万人強の支持者らが詰めかけるなど、集会は予期せぬ規模となったことで、モサッラーと周辺の通りにすし詰め状態になりながらも、数時間にわたって立ったまま大統領の登場を待っていた大群衆に、結局大統領と面会することはかなわなかった。
〔※断食明けの集団礼拝が行われる場所。在イラン日本大使館に近い〕

 百万人規模にふくれあがったテヘランの市民は、老いも若きも、男も女も、みなアフマディーネジャード博士の写真とイラン・イスラーム共和国の三色旗を手に持ちながら、マシュハド、エスファハーン、タブリーズ、そしてオルーミーイェの大統領地方歴訪の伝説を首都テヘランでも再現すべく、〔モサッラーに〕集結した。国内外の記者やカメラマンら200名以上がこの大いなる伝説の様子を、あるいはペンで描き、あるいはカメラに収めた。

 シャヒード・ベヘシュティー通り、シャヒード・モファッタフ通り、ホッラムシャフル通り、レサーラト大通り、そしてモダッレス大通りの各通りは、集会の行われているモサッラーに何としても辿り着こうとする、アフマディーネジャード支持者たちでごった返した。

 〔地下鉄の〕モサッラー駅及びシャヒード・ベヘシュティー駅を封鎖しようとする〔反アフマディーネジャード派による〕企みにも拘わらず、一部の〔アフマディーネジャード派の〕テヘラン市議会議員らの適切な対応によって、〔このような企みは〕頓挫した。にもかかわらず、多くの市民は数時間にわたって、モサッラーに行くための地下鉄が利用できない状態に置かれた。

世界一強い男「アフマディーネジャードは政治の世界でもっとも強い男だ」

 16時に始まったテヘランのモサッラーでの集会は、針も通さぬほどの混雑となった。この集会ではまずクルアーンの朗唱が行われ、その後、聖なるイラン・イスラーム共和国国歌が会場に流れた。そして「ナイチンゲール」の異名で知られるイラン国営放送の名司会者ファルザード・ジャムシーディーの司会で、プログラムが開始された。

 ジャムシーディーはプログラムのはじめに、アフマディーネジャードへの支持を訴えるためにモサッラーに来ていた、人気著名人らを紹介した。最初に紹介されたのは、「世界一強い男」ことホセイン・レザーザーデであった。

 ジャムシーディーはレザーザーデの名を呼び、「世界一強い男はアフマディーネジャード選挙本部の名誉会員となって、アフマディーネジャードの強さを証明するつもりだと言っている」と紹介。レザーザーデが壇上に上がると、「おお、アボルファズルよ」〔※〕の大合唱がモサッラーを包み込んだ。
〔※アボルファズルは、シーア派の英雄第三代イマーム・ホセインの異母兄弟で、勇猛さで知られる人物。レザーザーデはこの人物を自らのロール・モデルとしており、「おお、アボルファズルよ」と書かれたウェアを来て重量挙げの大会に出ていた〕

 ホセイン・レザーザーデは演壇の前に立ち、誇らしげに次のように語りかけた。「前にも言ったように、〔アフマディーネジャード〕博士は政治の世界でもっとも強い男だ。政治の世界でもっとも強い男を前にしては、アメリカだろうとイスラエルだろうと、誰であろうと、刃向かうことなどできない。神のご加護とイラン人民の助けによって、願わくばホルダード月22日〔6月12日の投票の日〕、『おお、アボルファズルよ』を唱えて仕事を終えようではないか」。すると「おお、アボルファズルよ」の大合唱とともに、「チャンピオンよ、われわれはお前を愛しているぞ」の雄叫びがテヘランのモサッラーで沸き起こった。

 次にアフマディーネジャード支持者として紹介されたのは、倫理観の高い人物として名高いスポーツ選手ファルシャード・「パイアス(Pious)」〔1990年代に活躍した元イラン・サッカー代表選手〕や元イラン・サッカー代表監督モハンマド・マーイェリー=コハン、そしてハージ・マンスール・アルズィー、ハージ・サイード・ハッダーディヤーン、ハージ・マフムード・キャリーミー、ハージ・モハンマド・レザー・ターヘリー、ハージ・ホセイン・サーズヴァルなど、名の知れた預言者一族の悲劇の語り部たち。彼らは「神は偉大なり」のかけ声とともに舞台に上がり、聴衆らの歓迎を受けた。
〔※サイード・ハッダーディヤーンのビデオはここから、マフムード・キャリーミーはここから、また二人の「デュオ」はここからご覧になれます(外部サイトに飛びます)〕

 ハージ・マフムード・キャリーミーは「信徒たちの長アリー、彼に平安あれ」を清らかに歌いつつ、アフマディーネジャード支持者らの大集会に心地よい風をもたらした。またハージ・サイード・ハッダーディヤーンも心地よい旋律を歌いながら、イマーム〔・ホメイニー〕と殉教者たちの思い出を口ずさんだ。群衆からは時折、「アフマディーは永遠なり、未来の大統領なり」のシュプレヒコールが上がった。

 その後、司会のジャムシーディーは「マフムード・アフマディーネジャードには選挙本部はない。私、君、そしてすべてのイラン人一人一人が《本部》なのだ」と述べると、ジャムシーディーの発言に賛同の意を示すかのように、聴衆からは「アフマディー、アフマディー、われわれはお前を支持するぞ」のシュプレヒコールが上がった。

 ジャムシーディーはさらに「農村地域からのニュース」として、次のように発表した。「一部の農村からニュースが届いた。マフムード・アフマディーネジャードを愛する一部の支持者は本日から〔投票が行われる〕金曜日まで、願掛けの断食を行うことになった。断食を行う誇り高き人々に神の祝福あれ」。

人気映画・ドラマ監督もアフマディーネジャードを支持

 司会のジャムシーディーはさらに、アフマディーネジャードへの支持を表明するために会場に来た映画監督たちを紹介した。イラン映画史上最多の売り上げを記録した映画『追放されし者たち』の監督マスウード・デフナマキー、最高の視聴率を獲得した宗教ドラマ『預言者ユーソフ』の監督ファラジョッラー・セラフシュールの二人が、聴衆の熱狂的な歓迎を受けて登場した。

 集会で短めの演説を行ったマスウード・デフナマキー監督は、「選挙の前に『追放されし者たち3』を作りたかった」と述べた上で、次のように絶叫した。「実際に《追放される》のは、国庫の略奪者どもだということを肝に銘じておくべきだ。選挙が終われば、人民は彼ら全員を追放するだろう」。

 ファラジョッラー・セラフシュール監督も演説の中で、聴衆に向けて次のように語った。「〔ハーメネイー最高指導者が言う〕最も善良な人物を選ぶためには、虚偽を働く者や資本主義者たち、他人の生き血を吸うヒルどもが誰を支持しているのかを見ると良い。私はコーラン芸術家の一人として、アリーの時代のマーリク・アシュタル〔※〕に投票することを表明する。『預言者ユーソフ』に関わった芸術家たちや、その他の社会問題への責任感の強い芸術家たちの多くも、博士を支持している」。
〔※初代イマーム・アリーに忠実に従った勇猛な武将の名前。ここではハーメネイー最高指導者に従う勇敢な大統領としてのアフマディーネジャードが示唆されているものと思われる〕

〔中略〕

アフマディーネジャード、人々の命を守るために会場入りを断念

 空前絶後の大群衆がテヘランのモサッラーに詰めかけたため、アフマディーネジャード大統領は90分間以上にわたりモサッラーの構内に待機しながらも、結局会場入りを断念することとなった。

 4年前にも、エスファハーンのセイエド・モスクでアフマディーネジャード支持者の一人が群衆にもみくちゃにされ、命を落とすといった事故が起きたことがあった。「おお、ホセインよ」を叫びながら数時間にわたり大統領の登場を待ち続けていた百万人規模の熱狂的支持者たちの前に、今回大統領が姿を現さなかったのも、恐らく同じような事故が繰り返されるのを懸念したためであろう。

〔後略〕

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:16651 )