最高指導者、大統領にマシャーイー解任を命令
2009年07月25日付 Jam-e Jam 紙

【政治部】一部国会議員らが、エスファンディヤール・ラヒーム=マシャーイーを第一副大統領から解任するよう求める書簡が、革命最高指導者からアフマディーネジャード大統領宛に出されたことを明らかにしてから数日が経った昨夜、この書簡の全文が公表された。

 同書簡の全文は、以下の通り。
イラン・イスラーム共和国大統領アフマディーネジャード博士殿

敬具

エスファンディヤール・ラヒーム=マシャーイー氏を第一副大統領に任命することは、貴殿の利益にも、政府の利益にも反するものであり、あなたを愛する人々の間に、対立と失望を生む。この任命の白紙撤回を発表することが必要である。

88年4月27日〔西暦2009年7月18日〕
セイエド・アリー・ハーメネイー

学生ら、マシャーイー任命に対する抗議集会を開催

 他方、エスファンディヤール・ラヒーム=マシャーイーが第一副大統領に任命されてから10日が経っても、いまだこの任命に対する抗議の声は止む気配を見せていない。

 ファールス通信の報道によると、テヘラン各地の大学に通う学生たちは昨日、パレスチナ広場で抗議集会を開き、大統領はラヒーム=マシャーイーを解任し、革命最高指導者の命令に従うことが必要だと気勢を上げた。

 テヘラン各大学の学生バスィージの呼びかけで、各学生組織の参加によって開かれたこの集会で、学生たちはシュプレヒコールをあげながら、ラヒーム=マシャーイーを第一副大統領に任命したことへの抗議の意志を表明した。

 集会の続きで、参加学生の一人が演説を行い、「国民がアフマディーネジャードに投じた票は、一人の人物に対するものではなく、〔ラフサンジャーニー及びハータミー政権によって〕16年間にわたって遺憾にも無視され続けてきたイマーム〔・ホメイニー〕と革命の言説に対するものだ。この事実を覆い隠すことはできない」と訴えた。

 この人物はさらに、「革命的で覚醒した大学生は、革命最高指導者に従って、革命的で奉仕の精神を持つ現政権への支持を表明し、それにもとづいた行動を取ってきた。しかしだからといって、愛情のある批判をやめたわけではないし、これからもやめることはないだろう」とも述べた。

 この学生活動家はさらに、「テヘラン各大学の大学生バスィージや各学生組織が金曜礼拝の後にパレスチナ広場に集まったのは、アフマディーネジャードによってエスファンディヤール・ラヒーム=マシャーイーが第一副大統領に任命されたことに対して、批判の声をあげるためである」と指摘した。

マシャーイー問題をめぐり、国会の原理派議員らが会合

 その一方で、国会の原理派中央評議会の委員は、日曜日の朝にもマシャーイー問題について検討するための会合を開く予定であることを明らかにした。同氏は「ここに至っては、もはや妥協はあり得ない。今回生じた問題は、閣僚候補らに対する国会の信任投票にも影響を与えるだろう」と述べた。

 ヴァリー・エスマーイーリー議員はメフル通信とのインタビューの中で、副大統領や顧問らを選ぶのは大統領個人の権限だとしながらも、「アフマディーネジャードは閣僚レベルで大規模な変更を施し、新顔を高官に登用することで、社会の期待に応えていくことを約束した」と強調した。

 同議員は第一副大統領に任命されたエスファンディヤール・ラヒーム=マシャーイーに対して批判の声が上がっていることについて、「われわれはマシャーイー氏に金銭上、司法上の問題があると言っているわけではない。同氏が、〔副大統領という地位から〕逸脱した問題を多く抱えていることが問題なのだ。マシャーイーの考え方は、正しかろうと間違いであろうと、政権にとって頭痛の種となっている」と指摘、さらに「ラヒーム=マシャーイーは自らの発言によって、これまで多くの物質的・精神的代償を政権にもたらし、政権の時間を浪費させてきた」と続けた。

 同議員はその上で、「われわれ原理派議員は選挙に向けて昼夜を問わず、アフマディーネジャードの勝利のために働いてきた。そのような存在として、われわれはこの問題が速やかに解決されることを期待している。それがかなわなかった場合は、アフマディーネジャードに対して容赦のない対応を取る」と力を込めた。

原理派は最高指導者の見解への不服従を容認しない

 イスラーム連合党中央評議会委員のホッジャトルエスラーム・ジャアファル・ショジューニーは、マシャーイーについて大統領は見直しを行うべきだと強調し、「原理派は最高指導者やマルジャエ・タグリード〔シーア派宗教最高権威〕の見解に従わないような行為を容認することはない」と語った。

 同氏はファールス通信とのインタビューの中で、「ラヒーム=マシャーイーが〔次期政権でも〕副大統領という要職にとどまることは、原理派にとって予想だにしないことであった。原理派はマシャーイーが第10期政権の内閣から除外されることを期待していたからだ」とも述べた。

 同氏はまた、原理派政権のあるべき姿について、「〔体制への〕コミットメントや専門知識という観点から、人材を要職に起用するというのが、原理派政権のあるべき姿である」とした。

 同氏はさらに、原理派政権は革命最高指導者の判断や見解に従うべきだとし、「マシャーイーが内閣にいることに対して、革命最高指導者が不満を述べたとの情報も耳に入っている。聞くところによれば、アフマディーネジャード氏ははっきりとした態度で、この件に関して見直しを行い、マシャーイーを内閣から追放すべきだ〔と最高指導者は考えているらしい〕」と強調した。

 ショジューニー氏はまた、アーヤトッラー・マカーレム=シーラーズィーをはじめとする一部のマルジャエ・タグリードがマシャーイー任命問題に関して声明や見解を発表したことに触れ、「原理派政権はマルジャエ・タグリードの見解に敬意を払い、それに従う義務がある。アフマディーネジャード氏もマルジャエ・タグリードやウラマーの見解に敬意を払って、マシャーイー任命に関する自らの決定を真剣に見直すべきだ」と力説した。

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:17035 )