「暴動を煽るために不正選挙という嘘をついた」:アブタヒー、公判後の記者会見で発言
2009年08月02日付 Jam-e Jam 紙


【政治部】先の騒動に関わった罪に問われている一部の政治活動家たちに対する公判が、テヘランのイマーム・ホメイニー司法センター革命裁判所第15支部で行われた。

 中央報道局の報道によると、イスラーム革命聖戦士機構中央評議会委員のベフザード・ナバヴィーやイラン・イスラーム参加戦線党総書記のモフセン・ミールダーマーディー、同党中央評議会委員のアミーンザーデ、「建設の奉仕者党」中央評議会委員のモハンマド・アトリヤーンファル、「闘う宗教指導者会議」中央評議会委員のモハンマド・アリー・アブタヒー、参加戦線党中央評議会委員のモフセン・サファーイー=ファラーハーニーならびにアブドッラー・ラマザーンザーデといった改革派の一部著名人らの出席のもと開かれたこの裁判では、検察による起訴状朗読の後、被告人の一部が記者会見に臨み、記者らの質問に答えた。

 失敗に終わったビロード・クーデターを企てた疑いのもたれている被告人たちに対する検察の起訴状は、ビロード・クーデターを構成する思想・メディア・実行の主要3部門での活動の全容を説明しつつ、次のように指摘している。「証拠資料によると、この企てに関わった活動家たちの多くは、選挙では不正は行われていなかったことをよく認識しながら、不正疑惑をほのめかし、一般世論を動揺させる目的で、一部の被告人の自宅や選挙本部で、偽の資料をでっちあげた。選挙開催よりしばらく前から、この計画のために大規模に動いていたことも分かっている」。

 テヘラン一般革命検察庁次席検事は、起訴状の続きで、「ビロード・クーデター計画の実行にともない、一部市民の抗議は事前の計画と組織化によって暴動へと導びかれた。〔‥‥〕」と強調した。

 検察の起訴状ではまた、イランにおけるビロード・クーデターの準備および実行にあたって参加戦線党や聖戦士機構、建設の奉仕者党などの一部政党が果たした役割について、いくつかの主要点に分けて説明がなされた。

 このことに関し起訴状は、〔‥‥〕党や団体が催した会議の中で体制転覆に向けた秘密決議が採択されたこと、ビロード・クーデターの分野で活動を行っている〔海外の〕財団や機関〔※ソロス財団などを指す〕と継続的に意味ありげな連絡を取ってきたこと、NGOの設立に関し海外から資金援助を受けていたこと、ビロード・クーデターで活用することを目的としてこれらNGOの拡大やネットワーク化を図ったこと、〔‥‥〕ビロード・クーデターの実現と体制の構造変化のために、選挙を利用する計画を立てたこと、などの点を指摘している。

アブタヒー:「自らの見解を述べる勇気が得られたことを、嬉しく思っている」

 闘う宗教指導者会議のメンバーであるモハンマド・アリー・アブタヒーは、公判後に開かれた記者会見の中で、「第10期大統領選の過程で、社会の指導者たちが受けた試験の成績は褒められたものではなかった。彼らは自らのやり方を変える必要がある」と述べた。

 同氏はさらに、「残念ながら、ミール・ホセイン・ムーサヴィーや、ハーシェミー=ラフサンジャーニ及びハータミーといった偉大な人物の選挙後の行動が、結果的に〔社会が〕不安定化し市民に被害が及ぶという事態につながった」と述べた。

〔中略〕

 アブタヒーはさらに、「改革派は選挙前、イランでは不正があったとしても、多くて100万票から150万票程度だろうと強調していた。〔‥‥〕」と述べた上で、「ある人物は1100万票もの不正があったなどと社会に向けてほのめかしているが、こんな指摘は不正というのがいかなるものかを知らないことを示すものだ」と指摘した。

 同氏は、ラフサンジャーニーがアフマディーネジャードへの復讐に燃えていることについても、セイエド・モハンマド・ハータミーが〔‥‥〕ムーサヴィーに〔過度に〕同調していることについても、不満に思っているとした上で、「ハータミーには、改革主義という大きな歴史的潮流をムーサヴィーのもとで台無しにする権利はなかったはずだと、私は考えている」と述べた。

 アブタヒーは「不正とはこれら全ての暴動にとって、秘密の合い言葉だった。私は前からそう考えていた。ムーサヴィーはこのような妄想にとりつかれている」と指摘、さらに不正問題はでっち上げられたものだと強調して、「不正は、暴動を引き起こすための口実だった」と付け加えた。

 闘う宗教指導者会議のメンバーである同氏はさらに、「改革派が〔諸外国で〕ソフトな体制転覆を組織してきた〔ソロス財団のような〕団体に3〜4年前から関心を抱き続けてきたことは、大きな誤りであった」とも述べた。

 アブタヒーは発言の別の箇所で、ムーサヴィー、ハーシェミー=ラフサンジャーニー、セイエド・モハンマド・ハータミーの三名は第10期大統領選挙での不正〔疑惑〕を主張するトライアングルを形成していると指摘し、「私が逮捕された月曜日まで、彼らは相も変わらず、選挙で不正が行われたと、さまざまな理由から主張していた」と付け加えた。

 アブタヒーはさらに、「選挙での不正〔疑惑〕をムーサヴィーが主張した理由は、最も良いように考えたとしても、彼が世間知らずだったからであり、また同氏には失うものが何もなかったからである」とも指摘した。

〔中略〕

 アブタヒーはまた、「セイエド・モハンマド・ハータミーは〔‥‥〕、選挙での不正問題で、ムーサヴィー氏を支持した。このような行動は社会への裏切りである」と述べ、さらに「ハーシェミー=ラフサンジャーニーもまたこの問題で、復讐心に満ちた立場をとった。その一部はアフマディーネジャードに向かい、また別の一部は最高指導者に対する一種の復讐心ないしは抵抗心によるものであった。その一例として、彼が最高指導者に宛てた書簡の存在を挙げることができる」と語った。

〔後略〕

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( 翻訳者:森田沙里 )
( 記事ID:17155 )