閣僚候補らの審査会3日目:福祉相候補らに批判集まる
2009年09月02日付 Jam-e Jam 紙

【政治部】大統領が指名した閣僚候補らの審査会3日目が、大統領欠席の中、行われた。その中で、一部の議員らは福祉相、道路運輸相、協同組合相などの各候補に対して、厳しい批判を浴びせた。閣僚候補らの信任の是非を決める投票が今日にも行われることが予想されている。

 専門的知識の不足や以前の公約を誠実に実行しなかったことなどへの批判が、閣僚候補らに容赦なく浴びせられた。

「言われるほど無能ではない」

 昨日国会議員らの審査を真っ先に受けたのは、マルズィーイェ・ヴァヒード=ダストジェルディー保健相候補だった。同候補に対しては、これといった反対意見は出されず、元保健相のアリー・レザー・マランディー博士などの経験豊かな賛成議員が、かつての愛弟子を強く支持する発言が目立った。

 「ヴァヒード=ダストジェルディーは女性閣僚候補のなかでも、最も愛すべき人物だ」。マランディー議員のこの発言に対し、多くの議員からは「その通り」とのかけ声が上がった。

〔中略〕

 壇上の上がったダストジェルディー候補は、〔‥‥〕国民の健康を守るべき部門が抱える最重要問題として、計画を立て、政策を決め、監督を行い、資金を調達・配分する関係機関が複数にわたっていることを挙げ、また病院や保健所の老朽化問題を指摘した。同候補はまた、ガン、高血圧、糖尿病などの非感染症の予防に政策の重点を置く姿勢を示した。

 二期にわたって国会議員を務めたこともある女性医療・分娩学専門家のダストジェルディー候補は、保健体制の改革・国民の医療費負担の軽減、巡回医療、診療報酬の見直し、伝統医学の復興などを自らの長期的計画として挙げた。また、イマーム・ホメイニーやハーメネイー革命最高指導者のお言葉に触れつつ、女性には歴史を作っていく力があることを力説した。

イラン北部出身の議員たち、協同組合相候補への支持を表明

 昨日モハンマド・アッバースィー協同組合相候補も、議員たちの審査を受け、賛否両論を引き起こした。反対議員2名、賛成議員4名がそれぞれ割り当てられた時間のなかで、同候補が掲げた構想に対して賛否を表明した。ジャヴァード・ジャハーンギールザーデ議員(オルーミーイェ選出)やモハンマド・ガスィーム・オスマーニー議員(ブーカーン選出)の二名がアッバースィー候補に反対する立場を示したが、彼らがその中で批判したのは、第9期政権での同候補の実績に対してであった。

 これに対して、ファルハード・デレクプーシュ議員(アースターラー選出)やメフルダード・バーウージ=ラーフーティー議員(ランギャルード選出)、ガーセム・モハンマディー議員(アルダビール選出)、アサドッラー・アッバースィー議員(ルードサル議員)〔などのイラン北部選出の議員たち〕がアッバースィー候補の弁護に回り、同候補は勤勉な人物であり、第9期政権でも文句のない仕事ぶりだったと述べた。

〔中略〕

3名の候補に対しては賛否なし

 昨日の審査会では、農業ジハード相、司法相、及び国防軍需相の各候補に対しても審査が行われたが、賛成議員・反対議員ともに現れず、候補のみが壇上で今後の構想について発言を行った。

 しかし国防軍需相候補については、ハプニングも起きた。同候補は氏名が呼び上げられたとき、公開本会議場にはおらず、会議場には遅れて到着、小走りに壇上に上がった。〔国防相候補不在中、〕国会の国家安全保障外交政策委員会の委員長は〔‥‥〕シオニスト体制が「エルサレムの日」を直前に控えたこの時期、ヴァヒーディー候補に対して陰謀を企んでいる〔※ヴァヒーディー候補が、1994年にアルゼンチンで起きた「アルゼンチン・イスラエル友好協会ビル」爆破事件に関与したと指摘されていることを指す〕と指摘、ヴァヒーディー候補に信任票を投ずるよう呼びかける演説を行った。

 同委員長はさらに、国防相候補に賛成することはシオニスト体制に対して反対を表明することと同義だとも述べ、これに対し議員らからは「イスラエルに死を」の大合唱が起き、この発言への支持が示された。アリー・ラーリージャーニー国会議長も、この動きを支持・歓迎し、「これこそがイスラエルに対する回答だ」と述べた。

シオニスト体制の陰謀に対する基本的戦略

 アフマド・ヴァヒーディー国防相候補は自らの構想について説明する中で、将校の育成、基礎科学の発展、最先端技術の活用、そして軍の力の向上・効率化などを最重要課題としてあげ、自らの基本戦略について指摘した上で、「新しいモデルを構想することで、国防産業を専門化された方向〔‥‥〕へと導く所存だ」と語った。

〔中略〕

道路運輸相候補をめぐる緊張

 閣僚候補の中でも最も厳しい緊張を強いられたのは、恐らくハミード・ベフバハーニー道路運輸相候補だったに違いない。同候補は、アリー・レザー・ザーカーニー議員(テヘラン選出)やハサン・ターミーニー=リヤーチャーニー議員(ラシュト選出)らから厳しい批判を浴び、大統領との誓約を実行していないとの非難を受けたのである。これらの議員が指摘するには、同候補は約束に反して、大学からも政府からも給料を受け取っているという。

 こうした発言に対し、国会の公開本会議場は緊張に包まれた。ラーリージャーニー国会議長が会議をコントロールするために、〔興奮して立ち上がっていた〕議員たちに着席を求める一幕も見られた。ラーリージャーニー議長はその上で、賛成・反対両者とも、疑惑を暗示するようなことはこの場にはふさわしくないと指摘、双方の感情を刺激するだけだと諭した。

〔中略〕

ケルマーンシャー出身議員ら、福祉相候補に批判の声を上げる

 「第三の女性」として大統領から福祉相に指名されたアージョルルー候補も、ケルマーンシャー州選出の議員らからの反対に直面した。これは恐らく、アブドッレザー・メスリー前福祉相が同州出身であることに、その原因があるものと考えられる。しかし、彼らの批判は主に、キャラジ選出の国会議員でもあるファーテメ・アージョルルー候補の能力不足に向けられていたことも事実だ。

 批判は、これで終わりではなかった。セイエド・ジャラール・ザマーニー議員はアージョルルー候補に対する反対演説の中で、自作の詩を披露し〔‥‥〕、他の議員らの失笑を買う一幕も見られた。〔‥‥〕これに対して賛成議員らは〔‥‥〕、彼女は殉教者の家族出身であり、同省の掲げる目標は女性の力〔を活用すること〕とも親和的であると指摘した。

〔中略〕

メフラービヤーン鉱工業相候補に対する審査、途中で終わる

 鉱工業相に指名されたアリー・アクバル・メフラービヤーン候補の審査も昨日行われたが、反対議員2名、賛成議員1名が演説をし終わったところで、議員らの疲労により、審査は本日に持ち越されることになった。

〔後略〕

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( 翻訳者:斉藤正道 )
( 記事ID:17389 )