閣僚候補の信任投票、本日行われる
2009年09月03日付 Jam-e Jam 紙


【政治部】国会による初めての閣僚への信任投票が行われてから、29年が経った。59年シャフリーヴァル月19日〔1980年9月10日〕、殉教者ラジャーイー〔当時首相〕が内閣を構成する閣僚らを指名して以降、多くの閣僚候補が国会に指名されてきた。そのうち一部は国会の信任を得たが、国会による信任というフィルターを通過することのできなかった候補も少なくない。そして今まさに、過去30年間続けられてきた手続きが再び行われようとしている。今回国会議員による審査をくぐり抜けるのは、第10期政権の閣僚候補たちだ。いかなる結果が出されるのか、本日正午まで待たなければならない。

 当初の予定では、昨日中にアフマディーネジャード大統領が指名した閣僚候補らの審査が終わり、全員の信任投票が行われるはずだった。しかし会議が長引いたため、最終的な信任投票は石油相と電力相の両候補に対する審査を経て、本日正午に行われることになった。21名の閣僚候補たちの運命を決める瞬間は、それまで持ち越しとなった。

 これまでの4日間、国会は午前と午後の2シフトで閣僚候補らの適性を審査した。このうち6名の閣僚候補については、特に異論を唱える議員は現れず、国会という難関を難なく通過した。ホセイニー経済財政相候補、ハリーリヤーン農業ジハード相候補、タギープール通信相候補、バフティヤーリー司法相候補、ニークザード住宅都市整備相候補、及びヴァヒーディー国防相候補の大臣任命に反対する議員は現れなかったため、彼らにとって〔大統領府のある〕パーストゥールへの道はすでに約束されていると言っていいだろう。

 しかしなかには、強い反対意見に遭遇したばかりか、賛成の意を示した議員からも、包括的・論理的な〔説得力のある〕弁護を受けなかった候補もいる。そのため、こうした候補が信任される可能性は低いといわざるを得ない。

 教育相に指名されたスーサン・ケシャーヴァルズ候補、福祉相に指名されたファーテメ・アージョルルー候補などがその典型だ。恐らく彼女たちも、国会によって信任されないであろうことは、分かっているはずだ。

 また、石油相と電力相の両候補が自らの構想を披露するのは本日だが、今夜〔=9月2日の夜〕最後のチャンスを利用して、自らの構想について議員たちを説得できなければ、この二人の候補が信任される可能性も低いだろうと国会内では言われている。

 アリーアーバーディー電力相候補、及びミールカーゼミー石油相候補の二人はこれまでの4年間、それぞれ体育庁長官ならびに商業相としての経験を積んできた。しかし両者が別のポストに座ることを議員らが認めるかどうかは、疑問の残るところである。

 この二名と同じことが、モスタファー・モハンマド・ナッジャール内相候補についても言える。同候補は国防相として輝かしい功績を残してきた人物だ。しかし一軍人が内務省のトップに座ることに対しては、一部の議員から疑問が出されている。いかなる結果が出るのか、見守る他ないだろう。

疑惑について説明すべき

 アリー・アクバル・メフラービヤーン鉱工業相候補が、昨日国会による審査を受けた最初の閣僚候補であった。同候補の審査は二日前、賛成・反対議員による演説が半分終わったところで中断されていた。

 昨日、ヘシュマトッラー・ファラーハトピーシェ議員(西エスラームアーバード選出)が反対議員として壇上に上がり、メフラービヤーン候補の〔前鉱工業相としての〕これまでの実績を批判、同候補が鉄鋼生産についてウソの統計を提出したことを指摘した上で、〔‥‥〕特許申請問題をめぐって争われた裁判をめぐる疑惑についても、説明を求めた。

 これに対して、ムーサー・オンソルアーバーディー議員(バム選出)やエブラーヒーム・ネクーナーム議員(ゴルパーイェガーン選出)などの賛成議員は、同候補が2年間の鉱工業相としての在任中、「鉱工業マフィア」を一掃したことを評価、同候補は〔第10期政権が「腐敗の一掃」を図る際の〕切り札的な存在となりうることを指摘した。

大臣の選出は政治的なものであってはならない

 次に国会議員らの審査を受けたのは、科学研究技術相に指名されたカームラーン・ダーネシュジュー候補であった。同候補に対しても、多くの賛成・反対議員が出た。ハサン・ターミーニー議員(ラシュト選出)、ハーディー・ガヴァーミー議員(エスファラーイェン選出)、アミーン・シャアバーニー議員(サナンダジ選出)、セイエド・ガスィーム・オスマーニー議員(ブーカーン選出)らは反対議員として、第10期大統領選挙の選挙管理委員長を務めるなどの、同候補の政治的経歴を問題視した。これらの議員らは、同候補の経歴は大学生らにとって、一種の「爆弾」のような働きをするだろうと指摘した。

 また、ダーネシュジュー候補が博士号を取得したとされる学歴についても、反対議員らから疑問が提起された。このことについて、アリー・ラーリージャーニー国会議長は、同候補がイギリスから国外追放処分を受けたのは、サルマーン・ラシュディー問題でイマーム・ホメイニーが出した〔ラシュディー処刑〕命令が原因であり、同氏はイラン国内でイラン人教授らの前で博士論文について口頭試問を受けたことを明らかにし、同候補の学歴には偽りはないと指摘した。

〔中略〕

文化問題に対する関心が足りない

 昨日賛成・反対双方の議員から審査を受けた三人目の閣僚候補は、文化イスラーム指導相に指名されたセイエド・モハンマド・ホセイニー候補であった。

 同候補に対しても、国の文化的目標に関する適切な計画が提出されていないとして、厳しい批判が向けられた。アリー・レザー・ラジャーイー議員(アラーク選出、農業委員会委員長)やビージャン・ノウバーヴェ議員(テヘラン選出)などの反対議員らは、ホセイニー候補については、いまだ説明のない多くの疑問が残っていると強調した。

 反対議員らは、「文化的・芸術的正義」についての説明やイスラーム文明〔の宣伝?発展?〕に向けての構想、そして社会に存在する多様な趣向に対する受け止め方について、ホセイニー候補に質した。

 ビージャン・ノウバーヴェ議員は文化イスラーム指導相候補に対する反対演説の中で、過去30年間で文化領域〔の保護〕に対する関心が弱まっていることを強調、〔この問題に対応するための〕様々な活動が行われてきたが、しかしいまやイランに対する「ソフトウェア戦争」が勃発しようとしていると指摘した。同議員はその上で、文化イスラーム指導相候補はこのことについて真剣な対策を用意しなければならなかったはずだ、と批判した。

 同議員はまた、ホセイニー候補には芸術家たちと関係を構築した経験がなく、また文化機関の強化に向けた適切なビジョンもないとして、同候補は文化イスラーム指導相として不適任だと指摘した。

〔中略〕

どのようにして雇用を創出するのか?

 次に議員らの審査を受けたのは、労働社会問題相に指名されたアブドッレザー・シェイホルエスラーミー候補であった。ナスロッラー・トラービー議員(シャフレ・コルド選出)、ムーサー・アッレザー・サルヴァティー議員(ボジヌールド選出)、及びハーディー・ガヴァーミー議員(エスファラーイェン選出)などの反対議員は、同候補には労働省を率いるのに適した職歴・学歴が欠けていると指摘した。

 反対議員らはまた、労働省は雇用をめぐる大問題に直面しているにもかかわらず、失業率を軽減させることへの関心が低いと指摘、「過去4年間、経済をめぐる状況は良好だったにもかかわらず、約30万もの雇用が失われた。世界的な不況の中で、どうしたら91万4千もの職を新たに創出するなどと約束することができるのか」と疑問を投げかけた。

〔中略〕

軍人が内相を務めるのはふさわしくない

 次に議員たちから多くの批判に晒されたのが、内相に指名されたモスタファー・モハンマド・ナッジャール候補であった。国会少数派に属するジャムシード・アンサーリー議員(ザンジャーン選出)やセイエド・レザー・アクラミー議員(テヘラン選出)などの反対議員らは、ナッジャール候補は兵站・工学部門の経験が豊かで、軍事問題に通じている軍人であると指摘、ナッジャール候補が提出した構想は、内相として同候補が担うべき責任とは関係のない内容となっていると批判した。

 同候補の軍人としてのキャリアは、政治的・社会的領域に関わる内務省の位置づけを、軍事的・治安的領域に関わる省庁へと変えてしまう可能性があるというのが、反対議員らが同候補に反対するもう一つの理由だった。

〔中略〕

イランの建築物のあり方を見直す

 昨日、最後に議員らの審査を受けたのは、住宅都市整備相に指名されたアリー・ニークザード=サマリーン候補だった。同候補には偶然にも、反対議員は現れず、そのため同候補は演壇に登り、自らの構想について披露するだけに終わった。

〔後略〕

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( 翻訳者:斉藤正道 )
( 記事ID:17397 )