ドイツでのアンケート結果、「他者=トルコ人」
2009年09月23日付 Radikal 紙

ドイツの2つの大学の学生を対象に行われた調査で、「他者」という概念がドイツ人学生らに「ムスリム、トルコ人、血、涙、野蛮、テロ、痛み、貧困、暴力、自分たちと異なる人々、外国人、無神論者、西側の敵」を思い起こさせるという結果が出た。

(トルコのエラズーにある)フラト大学コミュニケーション学部のムスタファ・ヤーバサン博士は、ドイツのハンブルク大学とマグデブルク大学で、社会科学分野の388人の学生にアンケートを実施し、「ドイツ社会における文化間コミュニケーションという観点からみた他者イメージ理解」というテーマで調査を行った。

『地中海大学コミュニケーション学部論集』11号で発表される調査結果によると、ドイツ人の大学生の若者のうち82.8%は「他者」のイメージについて「否定的」な印象を持っていること、また、このイメージが「ムスリム、トルコ人、血、涙、野蛮、テロ、痛み、貧困、暴力、自分たちと異なる人々、外国人、無神論者、西側の敵」という連想を呼び起こすものであることを明らかにした。

若者の17.2%は「他者」というイメージを肯定的に見ており、その際の連想は、「よく知られていない人々、自分たちのうちのお金持ち、自分たちの隣人、愉快な人々、トルコ人、良心のある人々、寛容な人々」につながることが明らかになった。

言葉の意味としては「無縁」という印象もあるものの、実際には「他者」のイメージが否定的な内容を含んでいると述べるヤーバサン博士は、この概念が簡単に言うと「すでに知られていることと違うもの、異なるもの、他のもの」という形で定義され、しかし実際の感覚では、「自分とは異なっている人々、自分からは遠い存在」という意味になっていると語った。

■外国人は「トルコ人とムスリムでないこと」でなければ「よい」イメージ

ドイツ人の若者は、自分たちの国で生活する外国人らについては全体として肯定的に考えていることが分かった。しかし、「他人、その他」という意味を持つ「他者」のイメージのなかには、トルコ人も含まれていると説明するヤーバサン博士は、次のように述べた。

「この結果によると、ドイツの大学生は外国人に対して肯定的に接している。しかしトルコ人やムスリムでないという条件で。他の言い方をすれば「外国人は良い。ドイツで生活してもらってもいい。受け入れる。ただし、条件は彼らがトルコ人とムスリムでないことだ」という立場で考えている。」

ヤーバサン博士は、この調査の結果、旧西ドイツ地区にくれべトルコ人やムスリムに関係の少ない旧東ドイツ地区の若者もまた、ほとんど同じ風に考えていることが明らかになったとし、「彼らは、ムスリムやトルコ人とそんなに一緒にいたことはない。しかし、彼らの「他者」のイメージはトルコ人やムスリムなのだ!この状況には大きくコミュニケーションツールと政治的アプローチが影響を与えたと私は考えています。」と話した。

ヤーバサン博士は、調査でドイツ人の若者らが、EUは宗教と文化の構造ではないとしているにもかかわらず、トルコ人について彼らが持っている「他者」のイメージをもとに、人種、文化、宗教、信仰の点でトルコがEU加盟に関し否定的に考えているといえるだろうと述べた。

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( 翻訳者:丸山礼 )
( 記事ID:17514 )