石油生産能力、毎年13%ずつ低下:制裁が原因
2009年11月16日付 Hayat-e Now 紙

【経済部】ビジネスモニター社は最新の報告の中で、イランの油井は極度に老朽化しており、このことがわが国の石油生産能力の13%低下を引き起こしているとする評価結果を発表した。

 その一方で、国会調査センターも以前、石油産業には年間45億ドルの投資が必要であると指摘し、「この規模の投資が得られなければ、最悪の場合、今後8年でイランの石油輸出はストップし、イランは石油輸出国から石油輸入国に転落する可能性がある」とする報告を発表していた。

 同調査センターの報告は、石油産業にとって重大な警告として捉えられた。専門家も、政府が石油・天然ガス開発プロジェクト向けの資金を集められないでいることに関して、過去何度も警鐘を鳴らし、イランが計画しているプロジェクトに投資が集まらない有力な要因のひとつとして、制裁の存在を挙げていた。

 こうした問題によって、イランは石油・天然ガス開発で必要とされる経験も技術も持ち合わせていないような企業に、プロジェクトを持ちかけざるを得なくなっている。実際、我が国の石油・天然ガスプロジェクトの投資部門には、ベラルーシ企業すら参入する事態となっているのである。今後、合理的な意志決定がなされず、石油・天然ガス分野への投資呼び込みの有効策が得られなければ、イランの石油・天然ガス産業が危機に直面する危険性を、こうした事態ははらんでいるように思われる。

 ビジネスモニターは報告の中で、イランはサウジアラビアに続いて世界第二位の原油埋蔵量を誇り、天然ガスに関してもロシアに続いて世界第二位の埋蔵量を有しているが、その一方で国内の石油・ガスの消費量は急激に増えており、また石油・ガス分野において旧態依然とした技術が用いられていることが、イランのエネルギー輸出力に負の影響を与えている、と指摘している。

 この報告によると、イランのガス分野はまだ発展段階にあり、イランはこの分野への投資と〔それによる〕歳入増加を見込むことができる。他方、世界の原油価格の下落はイラン経済に重大な影響を与えている。

 この報告は、「原油価格が落ち込んでいた時期〔=ハータミー政権時代〕、イラン経済を支える目的で外貨準備口座が設けられたが、この口座に蓄えられていた財源の多くが、ここ数年間の政府の莫大な出費をまかなうために使われてしまった。イランに科された多くの禁輸措置は、同国の経済に脅威を与えている。国際的な投資家らは、この状況に大きな懸念を抱いている」と続けている。

 ビジネスモニターはさらに、次のように付け加えている。「〔ハータミー政権時代に制定された〕外国投資保護法は、多くの外国人投資家らがイランへの投資を熱心に考えるきっかけを与えた。イランにはイノベーション力や創造力に富んだ、教育レベルの高い人々が多く存在し、そのことが外国人投資家らを惹きつけてきた」。

 イランはOPECで第二位の石油生産国である。イランの原油埋蔵量は2008年現在で1360億バレルに達しており、これは世界の原油埋蔵量の10%にあたる。またイランは28兆㎥の天然ガス埋蔵量有しており、これは世界の天然ガス埋蔵量の15%にあたる。

 この報告は、さらに「民営化の進捗状況は、依然として遅々としている。外国企業はいまだ、イランの油田やガス田を所有できないままだ。バイバック契約は、外国企業による投資〔を呼び込むの〕に十分なインセンティブを用意できずにいる。イランに存在する油井は操業から年月が経ち、そこで使われている技術も旧態依然としていることから、石油生産能力は毎年13%ずつ失われている。イランの油田は投資と最新の技術を必要としている」と指摘している。

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( 翻訳者:尾曲李香 )
( 記事ID:17898 )