イマーム・ホメイニーへの侮辱行為をめぐりテヘランでデモ
2009年12月12日付 Jam-e Jam 紙


以下は、12月7日の「学生の日」のデモで、ムーサヴィー派の学生らがホメイニーの写真を引きちぎるなどの侮辱行為を働いたとされる問題についての記事である。なお、この事件の様子をイラン国営放送が映像付きで放映したことに対し、一部から捏造疑惑や、このような問題の多い映像を国営放送は流すべきではないとした批判の声も出されている。

【政治部】「内乱」(フィトナ)の兆候の一つに、「真と偽の境界の接近」という現象がある。そこでは、人々は「真」と「偽」を判別することができずに、進むべき道がどれで、迷いの道がどこにあるのか、立ち往生するような状況が見られる。大統領選挙後にイランで起きた最近の「内乱」も、同じような兆候を示している。

 内乱を引き起こしている張本人たちには、残念ながら一部の政治関係者も含まれている。彼らは知ってか知らずか、内乱に身を委ね、それを正当であるかのように装うために、自らの行動と、革命とイマーム〔・ホメイニー〕の理念とをまぜこぜにしている。これには社会的地位の高い人物でさえも、欺されてしまっている。彼らは、あるいは内乱の首謀者たちと共鳴し、あるいは迷いへと導かれている。いずれであれ、内乱の目標によく適合していることに、違いはない。

 こうした状況にもかかわらず、イマームの言葉、イマームの理想、イマームの目標、イマームの辿ってきた道、これらはいずれも極めて明瞭で、社会に根を下ろし、人々の信じるところのものとなっており、そのためイマームの写真を侮辱することで同師のメッセージや言葉に傷を与えることなど、いかなる人物・集団・党派にも不可能である。

 とはいえ、イマームに対して侮辱を加えるような行為は、ほんの些細なものであれ、国民にとって決して許容できるものではない。実際、アーザル月16日〔12月7日〕に内乱分子らによってイマームに侮辱が加えられたことに対して、国民からは反発が起きている。

 昨日、テヘランやゴムをはじめとするイランの一部地域で、金曜礼拝に参加していた人々が礼拝後、イマームへの侮辱行為を非難するデモを行った。またゴムの宗教学院では、抗議のために本日の授業を休講とする決定がなされた。

 他方、テヘラン臨時金曜礼拝導師も昨日の金曜礼拝での説教で、今回の侮辱事件を非難し、「これほどまでに敬虔な信徒がいる我が社会で、最高指導者の権威が完全に尊重され、〔シーア派初代イマームの〕アリーや〔終末の時に救世主として再臨すると信じられている〕時のイマーム、〔第三代イマームの〕ホセインが崇敬されている我が社会で、イマーム〔・ホメイニー〕の写真に対して不遜な行為を働き、神聖を踏みにじるようなことが一部の者によって行われるとは、悲しむべきことだ」と述べた。

 ファールス通信の報道によると、ホッジャトルエスラーム・ヴァルモスレミーンのサディーギー師はテヘランでの金曜礼拝で、アーザル月16日に起きた問題に触れ、「〔敵に〕欺され、〔一時的な〕感情にとりつかれてしまった一部の若者も、〔そのうち冷静さを取り戻して〕国民の元に帰ってくるものと確信している」とも述べた。

 同師はその上で、「国民の固き団結の偉大さ、国民が奏でるホセインの調べ、そしてイマームと殉教者たちの誠実なる運動の継続が、〔敵に〕欺されたこれらの若者たちの心にも必ず響くはずだ」と語った。

 テヘランの礼拝参加者らは金曜礼拝後、イスラーム共和国の神聖なる創建者に対して行われた侮辱行為に抗議するために、デモ行進を行った。彼らはシュプレヒコールをあげながら、同師に対して侮辱行為を働いた人物を裁判にかけるよう求めた。ゴムでも、同様のデモが行われた。

ゴム神学校講師協会が声明

 ゴム神学校講師協会は声明を発表し、イマーム・ホメイニーに対して行われた侮辱行為を非難、今回の重大犯罪を働いた犯人・首謀者たちに対する厳しい処罰を求めた。

 ファールス通信の報道によると、ゴム神学校講師協会は声明の中で、不注意にも敵による内乱煽動の罠にかかり、ソフトな戦争に捕らわれてしまった人々に対して、手遅れにならぬうちに、イスラームと革命の敵の道から決別し、人民と体制指導者の元に帰ってくるよう勧告、過ちを繰り返せば、神の御前で許されざる罪を犯すことになると警告した。

 この声明は最後に、「個人的にも公的にも〔立派な〕地位や肩書きを持っている人々が、この種の行動を支援している。彼らは知ってか知らずか、イスラームと革命の敵に協力している。もしこのような行動を続けるようであれば、われわれはそのような人物の実名を人民の前に正式に発表することになるだろう」としている。

国営放送の映像は捏造ではない:キャッルービーの主張を否定

 国営メディア担当の大統領顧問で、イラン国営放送広報局長のマフムード・アーテフィー氏は、暴徒たちが〔ホメイニーの〕尊厳を汚している様子を写した映像は捏造されたものだとするメフディー・キャッルービーの主張を否定した上で、このフィルムの原本は国営放送に保管されていると述べた。

 同氏はファールス通信とのインタビューの中で、「暴徒たちがイマーム・ホメイニーの写真に対して侮辱行為を働いている様子を写した映像の原本は、国営放送内に保管されている。一部メディアのプロパガンダとは逆に、〔国営放送の報道には〕捏造されたものは存在しない」と語った。

 同氏はイラン国営放送が放映したアーザル月16日の映像が捏造されたものであるとするメフディー・キャッルービーの主張について、「20時半のニュース番組で放送した、『緑の運動』と呼ばれる暴徒たちの映像は、嘘偽りのない本物である」とし、さらに「これらの映像はいずれも、モンタージュされたものではない。原本は国営放送内に保管されている」と語った。

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:18058 )