物乞いの子供はイスタンブルの4つの村から
2010年01月15日付 Radikal 紙

「子どもを働かせている4つの村がある。子どもたちの収入は、1ヵ月4,000~5,000トルコリラ(約25万円~31万円)である。家族がこの収入を手放すだろうか。イスタンブルで、3つの団体が路上から子どもたちを収容しようとしている。」

ティッシュを売っているときに他の子どもたちに殴られた5歳のベドレッティン君は、その様子がメディアで放映されたおかげで現在の所通り(での仕事)から逃れられている。しかし、社会福祉・児童保護協会(SHÇEK) のある社会学者は、トルコの路上で起きているベドレッティン君のような事態が容易に解決するものではないと説明した。

「子どもたちには稼がなければいけないノルマがある。これを稼がなければ問題が起きる。あそこの稼ぎは何千ドルにも及ぶ。国が家族に与える援助は700リラ(約4万円)である。家族は、支援を受ける代わりに、子どもを働かせる。社会福祉・児童保護協会では専門家らが、委託を受けて働いている。彼らは、まさに問題に焦点があてられるという時に他の部所に送られる」。匿名の社会学者は、ラディカル紙に対して、路上の子どもたちの問題について次のようにまとめた。

■ 物乞いをする子どもたちの村は明らかだ

物乞いをするために連れてこられた子どもたちの出身地は明らかだ。アダナに2つ、コンヤとイズミトに1つずつ村がある。継続的に同じ家族が来る。自分たちの間で担当期間を分割している。ある集団が6ヶ月、残りの集団が残りの6ヶ月間イスタンブルを訪れる。残りの者たちは村で仕事をしている。イスタンブルに来る集団は村に残った者の子どもたちも必ず連れてくる。物乞いを組織化している。イスタンブルは、家族毎に(担当が)割り振られている。毎年同じ方法で続いている。彼らは大体トプカプのスリチ(城壁の内側)にいる。活動担当地区でテントで過ごすこともできる。夏は数が増加する。例えば、(路上巡回の結果)7月には1日250人の子どもたちを路上で収容している。アダナを改善するだけで、すべての場所が改善される。もう2度とイスタンブルに来ないだろう。

■ 家族が子どもたちを働かせている

イスタンブルのヨーロッパ側で2つ、アナトリア側で1つのグループがイスタンブル全体を巡回している。24時間路上で子どもを探している。このグループのうちたった1つに警官が同行し、残りには公務員が1人だけ帯同している。子どもは説得して、もしくは強制的に保護する。子どもたちは、児童施設に送られる。家族に連絡し、施設に来て子どもたちを連れていく。家族には3回警告がおこなわれ、再度子供を働かせれば軽犯罪として罰金に処される。さらに再犯が生じれば、関係機関に通知がおこなわれる。裁判所は、家族への補助金給付または子どもの保護を決定する。子どもたちの家族のほぼ全員はそれを認識している。つまり家族が働かせているのだ。誘拐された子どもたちが働いていることもある。

■ レヴェントで100リラ(約6000円)

路上の子どもが稼ぐお金は働く場所によって異なる。レヴェントのスルタン・アフメト地区でティッシュを売っている子どもは一日100リラ(約6000円)稼ぐことができる。ラマザンの期間中は一日250リラ(約1万5000円)稼ぐ子どもたちがいる。ひと月4,000~5,000トルコリラ(約25万円~31万円)稼ぐ子どももいる。国は家族に最高700トルコリラ(約4万円)の補助金を支給している。5,000トルコリラ(31万円)稼ぐ子どもがいる一方で家族がこれをなぜ求めるだろうか。子どもは働き続ける。一つのティシュに100トルコリラ(約6000円)払う人々を知っている。子どもたちにお金を与える人たちは彼らを路上に追い込んでいるのだ。路上で働いている子どもたちは最初の6カ月で高い確率で学校をやめる。2年目に学校をやめる子どもの割合は80%である。

■資金を得るNGOはどこに?
NGOの多くは書類に目を通すだけで、現場に赴いて子供たちを見ようとはしない。しかし、この組織の多くは我々から統計を欲しがり、ヨーロッパから資金を得ている。良心的に働いている人もいる。しかし、これは公的な問題だ。公的機関が自分たちでこの問題を解決しうるのだ。

■ 6か月毎に担当部所を移動

・説明の問題
最も重要な問題は、子どもたちが知られていないことだ。我々が中毒者と表現する、路上で生活している子どもたち。彼らは家族との結びつきを断ち、自分たちのグループを作り上げ、必要なことの全てを自分たちで賄い、路上で生活する子どもたちである。第二のグループは、路上生活の予備軍の子どもたちだ。家族との関係を最小限続けているが、ほとんど路上生活を選択している子どもたちだ。第三のグループは路上で働いている子どもたちだ。彼らも路上生活の予備軍だ。路上生活をしている子どもは必ず路上で働いたことがある。路上生活を始めた子どもたちに、絶対に干渉すべきである。

・この活動は民間委託されない
トルコにおける路上の子どもたちに関する活動モデルが5年間実践されている。これは国の基本の職務の一つとして認識されていないためある点で混乱が生じる。なぜなら我々は委託者として働いているからだ。6か月で解雇される可能性に直面しているのである。その他に法律上の障害もある。側に、役人がいないときに路上で子どもたちを収容する。時々殴られたりもする。関係機関は我々を助けることをしない。子どもたちは心理学者に慣れている。互いを知っている。その後、(担当の)心理学者はいなくなってしまう。新しい人に慣れようとする。専門家の職場は半年に1回変わる。教師も社会学者も心理学者もその他の専門家たちもこのように働いている。委託者として働かされている人びとは保険はなく、給料も払われず、6ヶ月後に何が起きるかも明らかではないのだ。

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( 翻訳者:小松裕美子 )
( 記事ID:18273 )