文化遺産観光庁長官「マルコ・ポーロはスパイ目的でシルクロードを旅した」
2010年01月10日付 Mardomsalari 紙

文化遺産観光庁長官は、マルコ・ポーロの旅は政治目的によるものであり、西洋を東洋に対して対抗させることが彼の真の狙いだったと述べた。同長官によると、マルコ・ポーロの旅には、恐らくスパイ的な側面があったのであり、西洋人のために情報を収集することが彼の目的だったという。というのも、彼らにとってシルクロードは極めて重要で、彼らはシルクロードという道を経済的観点から大いに活用したからである。

 イラン労働通信(ILNA)の報道によると、ハミード・バガーイー長官は国際シルクロード・シンポジウムの席上で、シルクロードをイラン観光の重要な拠点として位置づけるべきだと指摘した上で、次のように述べた。「これまで、シルクロードは文化遺産という領域の中にあって、観光という観点から真剣に検討がなされてこなかった。約2年前から、文化遺産観光庁は観光という領域でのシルクロードの可能性を真剣に検討しはじめている」。

 同長官はさらに、「シルクロードは約2千年にわたる歴史の中で、東洋と西洋の諸国を互いに結びつけてきた。この道の途上で、様々な戦争が起きたが、しかしにもかかわらず、シルクロードを通じた結びつきが完全に断たれることはなかった。交易活動はいまだに続けられている」と語った。

 文化遺産観光庁長官はまた、「シルクロードは、互いに結びつき合いたいとする各時代の人間の願望をよく示すものである。こうした結びつきによって、〔人間は〕一つにまとまることができるのである」と指摘、さらに「過去2千年間にわたって、諸国民はシルクロードを通じて、互いに結びついてきた。今日の世界でも、各国はこのような関係の構築を求めているのだ」と続けた。

 「世界の各国民は、世界の人々が一つになることを求めている。いかなる国民も、略奪や不正義、倫理的原則の無視をよしとは考えていない。にもかかわらず、各国の政府はこのような考えをもっていないように思われる」。

 同長官はこう述べ、さらに「『第6の大陸』がヴァーチャルな世界に誕生している。インターネットがもつマイナスの点とは別に、仮想空間は世界中の人々を互いに結びつける可能性をもっている」と語った。

 バガーイー長官はまた、「シルクロードは、遠い過去において、中国人とイラン人が互いの〔利己的な〕利益に縛られることなく、互いに結びつきを保っていたことを示す実際の証拠である。経済的な結びつきは、彼らの関係を図るパラメーターの一つに過ぎなかった」と指摘、その上で、「長い歳月の中で、シルクロードでは様々な戦争が起きたが、この道が封鎖されるようなことは一度もなかった」と述べた。

 バガーイー長官はさらに、「〔異なる地域の人々が〕結びつくことは、人類の思考〔の深化〕にとって必要条件である」と述べ、次のように指摘した。「西洋諸国はいつも、人類の必要を自らの利益のために利用しよう試みている。より多くの結びつきを手に入れようと、西洋人たちが植民地獲得ゲームを始め、東洋の知や文明を利用するために、植民地を支配しようと考えたのも、そのためであった。現在も、西洋諸国は別の形で、自らの〔利己的な〕利益を獲得しようと企てている」。

 バガーイー長官は最後に、「シルクロードは単なる交易ルートだったのではない。むしろこの道を通じて、様々な文化的・社会的交流が行われたのだ」と指摘した。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
関連記事(大統領メディア担当顧問の娘、国外に亡命:「この事件は反体制派による《ソフトな戦争》の一例」)

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:18332 )