ハーメネイー最高指導者、IAEAを批判
2010年03月01日付 Jam-e Jam 紙

【政治部】イスラーム革命最高指導者アーヤトッラー・ハーメネイー閣下は外務大臣、外務省関係者、ならびにイラン・イスラーム共和国在外機関駐在の大使・代表らと面会し、その中で、イスラーム革命は「反覇権主義的対話政策」という名の新たな論理・政策を国際関係にもたらしたと評し、次のように強調した。「イラン・イスラーム共和国の大使・代表らの責務とは、『反覇権主義政策』を推進すべく、高質で力強く、かつ効果的な外交を展開することである。そのためには、革命の原理とイスラーム法の原則を固持し、これらの原理・原則を臆することなく主張し続けることが必要だ」と強調した。

 同師は、「反覇権主義政策」の実践こそイラン・イスラーム共和国独自の特長に他ならないと力説した上で、「覇権主義体制においては、一方に覇権主義者が、他方に覇権を受け容れる者が存在する。しかしイラン・イスラーム共和国は、覇権主義者でもなければ、いかなる国の覇権も受け容れないことを、当初より明確に宣言してきた」と続けた。

 イスラーム革命最高指導者は、「反覇権主義政策」が世界的に見ても極めて斬新な政策であり、〔世界中の〕国々・人々・知識人らも国際関係におけるこの新たな論理に歓迎の意を表してきたと指摘した上で、「反覇権主義政策には、強力な戦略的支えが複数存在する。その一つが、イスラーム革命人民による大いなる支持である」と語った。

 アーヤトッラー・ハーメネイー閣下は、「他の革命とは異なり、イスラーム革命ではその当初より、人民の猛々しき運動が弱まることはなかった」と強調、次のように付け加えた。「〔革命から〕31年が経って、革命記念日の式典への人民の参加が減るどころか、顕著なまでに増加したような国が、他にどこにあろうか。人民の参加という支えこそ、極めて重要なのであり、イラン・イスラーム共和国独自の特長に他ならない」。

 同師は、若きイラン人研究者によるめでたき科学的・技術的進歩もまた、反覇権主義政策の戦略的支えとなっていると指摘し、さらに「人民主権の最高の顕現たる選挙への、人民の比類なき参加も、こうした支えの一つである。実際、選挙への人民の参加は、〔年を経るごとに〕減るどころが、増加すらしているのである」と述べた。

〔中略〕

 イスラーム革命最高指導者は、強力かつ効果的な外交を行うためにはまず何よりも、イスラーム法の原則と、イスラーム革命の原理ならびに思想を一点の曇りもなく信じることが必要だと指摘し、「外交では、国民としての自信を保ち、革命の原理と宗教の原則を臆することなく主張し続けながら、行動することが重要だ」と述べた。

 アーヤトッラー・ハーメネイー閣下は、革命の原理とイスラーム法の原則を堅持することがイスラーム共和国の外交にとって強みとなると指摘し、「合理的思考と共に、こうした〔革命原理への〕堅持の姿勢を保つことが、〔イスラーム共和国体制の〕強固さを〔国際社会に〕示すことになる。それはまた、〔イランへの〕敬意と〔自らの〕謙譲の姿勢を〔外交の〕相手方から引き出すことにもなるのだ」と力説した。

 同師はまた、西洋が好む概念・手法・儀礼を利用し、彼らに同調・接近することが必要だなどという誤った想像が、かつて一部に存在した〔※ハータミー政権下の対欧米融和政策を指す〕と指摘した上で、次のように語った。「こうした人々は、西洋の概念を反復し、彼らに服従すれば、われわれの〔世界での〕地位・立場が高まるなどと想像していた。しかしながら、西洋が用いるボキャブラリー・概念など、200年も前の旧態依然としたものでしかない。これに対し、イラン・イスラーム共和国のボキャブラリー・政策は〔世界にとって〕斬新かつ効果的なものである」。

外務省の政策を評価

 イスラーム革命最高指導者は、外務省のこれまでの政策を評価した上で、外交ならびに国際問題への対処において、イラン・イスラーム共和国が数々の成功を収めてきたことに触れ、次のように語った。「例えば核問題では、多くのウソ、喧噪、圧力がイスラーム体制に加えられてきたが、にもかかわらず世界の列強は自らの目的を達成することができなかった。これは、イラン・イスラーム共和国の基礎・基盤がいかに強固なものかを物語るものだ」。

 アーヤトッラー・ハーメネイー閣下は、「イラン・イスラーム共和国は、エネルギーをはじめとする平和目的に供するべく、核の知識・技術の習得を目指していることを、当初より宣言してきた」と強調、その上で「このことについて米英をはじめとする一部西側諸国、さらにはシオニストたちが垂れ流してきたプロパガンダや喧噪は、全くのでっち上げである。彼ら自身、自らが嘘をついていることを自覚しているのだ。こうした敵対姿勢は、彼らの利益を損なうことになろう」と続けた。

 イスラーム革命最高指導者はさらに、「こうした圧力にもかかわらず、イラン・イスラーム共和国は核技術の分野で、大いなる進歩を遂げてきた。こうした科学技術の分野で自給自足が成し遂げられるよう、必要があればどこまでも、イランは進歩し続けるだろう」と述べた。

IAEAの対応を批判

 アーヤトッラー・ハーメネイー閣下はまた、国際原子力機関(IAEA)の対応を批判し、「IAEAの行動や報告書からは、国際機関である同機関が独立性を失っているケースが見受けられる」と述べた。

 同師はその上で、「IAEAは、アメリカや一部の国の影響下に入るべきではない。このような一方的行動は、IAEAや国連の信頼を失わせ、国際機関としての尊厳や威信に大いなる悪影響を与えるからだ」と強調した。

〔後略〕

Tweet
シェア


関連記事(ボルージェルディー氏:エルバラーダイー氏の方が西側諸国からの圧力に対してより抵抗を示していた)
原文をPDFファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:18613 )