トルコ製TVドラマ、ブルガリアで議論の的
2010年04月28日付 Yeni Safak 紙


ブルガリアで社会学者、新聞記者と映画評論家の間でトルコで新記録を作ったトルコ製TVドラマについて議論がおこった。

アラブ諸国からバルカン諸国まで視聴されているトルコ製TVドラマがブルガリアで議論の的となった。議論や対話の中心地となっているソフィヤのチェルヴェナタ・クシュタセンター(レッドハウス)で、国内で100万人以上視聴しているトルコ製TVドラマについて、社会学者、政治学者、新聞記者や映画評論家らが公開討論を行った。「トルコ製TVドラマに賛成か反対か」の論題で開かれた討論では、トルコ製TVドラマを見た経験があるなしの2人が司会を務めた。

■家族についてのトルコドラマ

新聞記者のクラシミラ・ヴラディミロヴァ氏は、ブルガリア最大の民間放送局であるBTVでゴールデンタイムに放映された「落ち葉」がかつて受けたことのない関心で視聴されていることに関して、「以前『銀』は放送されていた。今、『落ち葉』が放送されている。私たちでさえこのドラマが大きな成功を収めているのを信じられない。トルコドラマでは家族に焦点を当てている。ブルガリア人が自身の価値観の中で懐かしく懐古する例をこのドラマの中で見つけることができる」と述べ、トルコ製TVドラマを押した。

■『落ち葉』が一番

ブルガリアで最も視聴されたドラマの筆頭にはトルコでも新記録を作った『落ち葉』がくる。10分ほどのトルコニュースに反対する人々が多数を占めるブルガリアで、トルコ製TVドラマが大勢の視聴者を獲得しているのは、「矛盾している」とは専門家の声である。視聴者の大部分がドラマを好んでいるのは興味深いとしている。

■芸術的批判ではない

討論に参加したシリア出身の映画評論家で監督のニダル・フライフ氏はトルコ製TVドラマの流行りはいずれ過ぎ去るだろうと述べた。同氏は「しかし、ブルガリアでこのドラマに反対するものは芸術的観点からではなく、ただトルコ人によるものであることが原因で批判しているだけだ」と述べた。また、トルコはこうしたドラマによって、現代的であり、発展していて、西側の国であることを主張することに成功したとした。そして、トルコ製TVドラマは文化的脅威ではないとし、「全く逆にブルガリア人はこのドラマで、忘れかけていたある価値を再発見するだろう」と述べた。

■民族主義者は反対

民族主義者的見解の持ち主として周知される政治学者カロヤン・メトディエフ氏は、トルコ製TVドラマの認知度は広がっているが、本来の目的は、いわゆる「新オスマン主義」の精神を広めることだ、と述べた。メトディエフ氏は、TVドラマには、内向きの民族主義、そしてトルコが克服できていないヨーロッパに対してのコンプレックスが目につくとし、次のように述べた。:「TVドラマの中で文明化し、西洋的生活様式に似せようと努めたトルコは、50年間ヨーロッパの幻影と共に過ごした一方で、政治体制の点でイスラム的価値に向かっている。トルコ製TVドラマは新たにある地理的侵入を示している。トルコ製TVドラマは、私たちのヨーロッパ統合を妨げかねない。」

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( 翻訳者:小幡あい )
( 記事ID:18984 )