中国のイラン石油産業進出への警鐘(2)
2010年05月05日付 Mardomsalari 紙

 石油省は第4次開発計画において、20億ドル強規模のヤードアーヴァラーン油田開発計画契約については中国石油化工集団公司(Sinopec)に、160億ドル強規模のノースパールス・ガス田開発計画については中国海洋石油総公司(CNOOC)に、50億ドル強規模のサウスパールス第11フェーズ開発計画については中国国際石油会社(CNPCI)に、16億ドル規模の北アーザーデガーン油田開発計画については中国石油天然気集団公司(CNPC)に、ギャルムサール採掘開発ブロックはSinopecに、イラン液化天然ガス(LNG)工場第2フェーズの建造については中国HEFCに、クーフダシュト採掘開発ブロックについてはCNPCに、ゴルシャン油田ならびにフェルドウスィー油田の開発については中国BGPに、レサーラト油田開発計画についてはカーセル〔?〕及び中国海洋石油会社に、そしてマスジェデ・ソレイマーン油田開発計画についてはCNPCIに、それぞれ委託した。

 また、現在までに10もの陸上・海洋石油掘削やぐらの建設やガディール5000用パイプライン敷設クレーン〔?〕についても、イランの各石油会社はそれぞれ別個に、中国企業と契約を交わしている。

 南アーザーデガーン油田開発の株式の70%譲渡や石油精製施設の建設・拡張、ジャースク港ネカー・パイプラインの敷設、LNG運搬船の建造、中央地区やペルシ湾地区の一部の油田・ガス田や現在実施中のサウスパールス〔・ガス田開発〕の複数のフェーズの開発計画についても、現在複数の中国の石油関連企業と協議中である。

 これらの契約の規模が大きいことから、専門家たちの間では、石油分野における中国の技術力に対する懸念が広まっている。この問題に関して、イラン原子力庁長官はさほどの不安を示してはいないが、この分野の専門家たちは、中国には石油関連技術の分野で優れた経歴があるわけではないとの見方を示している。

 こうしたことを考えると、もし「石油」というのが最も重要なイランの収入源であるというのであれば、国内の専門家たちの手にこの産業〔の技術力〕を身につけさせることに、政府は自らの全エネルギーを集中させるべきではないだろうか?

 石油部門において中国が〔イランとの〕契約数を日増しに伸ばしていることは、〔イランにとって〕一種の警鐘となっている。石油関連技術への国内投資に関心を寄せることが、これまで以上に喫緊の課題となっているのである。

Tweet
シェア


前を読む
この記事の原文はこちら

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:関雄仁 )
( 記事ID:19096 )