ヴァキーリーラード氏、19年ぶりに仏刑務所から釈放:「地獄をみた」
2010年05月20日付 Jam-e Jam 紙


フランスで拘束されていたイラン人アリー・ヴァキーリーラード氏が母国に帰還した。同氏は目に涙を浮かべ、震える声で話した。「本当に地獄をみた。そして、今日ここに天国をみつけた。心から嬉しく思う」。

 ヴァキーリーラード氏は19年前、パフラヴィー王制最後の首相を務め、フランスへ逃亡していたシャープール・バフティヤール元首相を殺害したという根拠のない容疑で、逮捕・投獄されていた。

 ファールス通信によると、同氏は昨日、記者団を前に「皆さんご安心を。言葉と思考と記憶の許す限り、言わねばならぬことはいつか必ずお話する」と伝え、「たとえ老い先短かくとも、我が祖国イランにいられるだけで十分幸せだ」と心境を語ったという。

 イマーム・ホメイニー国際空港で、ハサン・ガシュガーヴィー領事・国会・在外イラン人問題担当外務次官や、国会の〔在外〕イラン人〔問題調査〕会の会頭を務めるカーゼム・ジャラーリー議員らの出迎えを受けた同氏は、さらに「我が祖国の大地が目に入った時より今に至るまで、きちんとした形であなた方にお話しできるような精神状態には、まだないのです」と付け加え〔、多くを語ろうとしなかっ〕た。

 他方、情報相は「投獄中の19年間に、ヴァキーリーラード氏が受けた処遇については、現在調査中である」と語った。

 〔イラン国営放送の〕中央報道局が伝えたところによると、ヘイダル・モスレヒー情報相は閣議後の会見で、「19年間根拠のない容疑でヴァキーリーラード氏を投獄していた件で、フランスに抗議を申し立てるのか」との記者団からの質問に対しては、「必要に応じて措置をとるつもりだ」とも述べたという。

 同相はまた、〔仏人講師〕クロチルド・レスさん釈放との関係について問われると、「この件について、取引は全く行われなかった」と関連を完全に否定した。

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( 翻訳者:宍倉未記 )
( 記事ID:19185 )