アフマド・ハータミー、「貞節とヘジャーブ」計画の適切な実施を要求(2)
2010年05月16日付 Jam-e Jam 紙

「貞節とヘジャーブ」をめぐる過去14年間の沈黙

 「貞節とヘジャーブ」計画は1384年デイ月13日(西暦2006年1月3日)に、文化革命最高評議会によって決定された計画で、それに従い政府系・非政府系を問わず多くの機関や省庁が、この計画達成に向けて行動を起こすことを義務づけられた。

 この計画実施に向けて、16ヵ条にわたる施策が定められたが、なかでも最も重要なのが、悪化の一途をたどるバッドヘジャービー(ヘジャーブの乱れ)現象への対策として、「ヘジャーブと貞節」問題が国の各行政機関の政策作りに優先的に位置づけられるべきだとされたことである。

 また、この計画は〔‥‥〕国の公的部門や行政機関に勤める職員の服装のあり方について、明確な規則・規範を定めている。

 この計画はさらに、政府機関や公共機関においてヘジャーブと貞節という聖域が遵守されているかどうか、職場環境においてイスラーム的な清貧さや服装、簡素な出で立ちや化粧が守られているかどうかを監督し、その重要性を〔職員に〕強調するよう〔各機関に〕義務づけている。

 この計画では、国内外で製造された衣服の流通・販売をめぐる法的問題の除去も謳われている。さらに各州の一般文化評議会に対しては、継続的に貞節文化の普及計画の実施状況について調査を行い、文化イスラーム指導相に定期的に報告書を提出するよう求めている。

 他方、この計画で注目に値する点としては、バッドヘジャービー現象への対策に向けて、文化・治安・司法の各機関に対しては、計画の実施状況の正確な評価を求め、また貞節文化普及委員会に対しては、適切な方策を見定めるよう求めていることが挙げられる。また計画では、各メディアが伝える〔生活の〕モデルやその社会的影響との関連において、特にイラン国営放送の活動実績について監督・評価することの必要性にも触れられている。

 さらにこの計画には、ヘジャーブと貞節〔の文化普及〕との関連で勧善禁悪という良き伝統を復活させることの必要性が記されており、貞節の文化を普及させ、この問題に対する疑問に答えることを目的とした書籍や出版物、その他学術的・文化的製品の提供に向けて、必要とされる環境を整える必要性にも関心が払われている。

 この計画の目標・施策について書かれた16ヵ条の項目の最後には、職場環境での貞節やイスラーム的服装の原則遵守に貢献のあった、幹部らへの奨励策の実施についても言及されている。

 いずれにせよ、近年この計画は適切に実行されておらず、一部の関係者からは服装やヘジャーブをめぐる国の情況に対して不満の声も聞かれる。今年のファルヴァルディーン月31日(西暦4月20日)、内務大臣が国会の文化委員会に呼ばれ、議員らから現状がつづくことへの懸念が伝えられた背景には、こうした不満があったのである。

〔後略〕

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( 翻訳者:今屋麻依子 )
( 記事ID:19201 )