ユー・チューブへのアクセス禁止、継続へ
2010年07月04日付 Radikal 紙

アンカラ第1簡易刑事裁判所はYoutubeにアクセスできる44のIPアドレスへの接続を制限する判決に対して行われた異議申し立てを、「同サイトは法に反している」として棄却した。

アンカラ第1簡易刑事裁判所は、Youtubeというサイトへのアクセス禁止の判決に対して行われた異議申し立てを棄却した。判決理由として「当該サイトの違法性が継続しており異議申し立ては適当ではない」と述べられた。

Youtubeに対し、アタテュルクに対する侮辱を含む動画が放送されたとしてアンカラ第1簡易刑事裁判所によって2008年5月5日にアクセスが制限された。しかしその後新たなIPアドレスによって当該サイトへのアクセスが可能となった。これに対しアンカラ主席検察局メディア犯罪審問部のキュルシャト・カイラル検察官は、テレコミュニケーション通信庁(TİB)に要請してYoutubeへのアクセスが可能な新たなIPアドレスがあるかを尋ねた。TİBも当該サイトへのアクセスが可能な44の新たなIPアドレスが確認されたと知らせた。

これに対し検察はYoutubeへのアクセスが可能な44の新たなIPアドレスへの接続制限を求める追加判決を出すようアンカラ第1簡易刑事裁判所に要請した。同裁判所はこの要求を適当とみなし、Youtubeへのアクセスが可能な44の新たなIPアドレスへの接続を制限する方向で判決を下した。裁判所のこの判決に、インターネット技術協会(İNTED)が異議申し立てを行った。

■ 6万の動画

異議申し立てではアクセス禁止によって全ての市民が罰されると主張され、次のように述べられた。「Youtubeにはアタテュルクに関する6万以上の動画がある。一握りの動画のために6万のアタテュルクを擁護する動画を禁止することがどれほど有益だろうか?一握りの動画へのアクセス(に基づく全面的禁止)は、まさにそのアドレスを知らない人にとっては異常なことである。アクセス禁止が2年以上にわたって継続されていることは、Youtubeの使用を望む全ての国民のコミュニケーション、表現の自由、仕事、紹介、教育、娯楽、組織化の権利に制限を設けることである。防御目的で取られた、一時的なものであるべき措置の判決は、裁判が行われないまま確定事項であるかのように実施されている。トルコ国民として私たちに罪はないのに罰されている。私たちの公正な裁判の権利も制限されている。この禁止は国のイメージに深刻な害を及ぼしている。私たちに言わせれば、実施の必要があるのは、たとえば法に反した内容があったらその内容だけ制限することである。これはまるで、1冊の本のために何百万もの蔵書のある図書館が閉鎖されているようなものだ。トルコからアクセスできないコンテンツが世界中から排除されるよう望むことは、裁判所が国際的な法を作り上げようとするようなものである。これは越権行為である。Youtubeの閉鎖はトルコと世界の世論においてプリントメディア禁止にも似た認識を引き起こしている。欧州人権裁判所(AİHM)ではこのため私たちの訴訟が重視された。」

■ 一件は第一審刑事裁判所へ

要請を評価したアンカラ第1簡易裁判所のハイリ・ケスキン裁判官は判決に対して行われた異議申し立てを棄却した。判決理由として当該サイトの違法性が継続しているとされ、「裁判所が下した追加判決により、Youtubeの弁護士とインターネット技術協会が行った異議申し立ては、当該サイトの違法性が継続している以上異議申し立ては適当ではなく、棄却の決定をくだした」と述べられた。異議申し立ての棄却後、一件は調査のため予審裁判所である第 13第一審刑事裁判所に送られた。

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( 翻訳者:永山明子 )
( 記事ID:19648 )