アメリカ、MKOをイラン国境の山岳地帯に移す計画か
2010年07月21日付 Jam-e Jam 紙

アメリカは「偽善者のテロ組織」〔※反体制組織モジャーヘディーネ・ハルグ(MKO)のこと。以下MKO〕をテロ指定リストから外そうと目論んでいるが、一部報道によると、それと同時並行するかたちで、米当局はクルディスタン労働者党(PKK)指導評議会に文書を送り、MKOメンバーらにイラン国境地帯のカンディール山脈に定住する許可を与えるよう要請したという。

 ファールス通信によると、イラク領からの米軍の撤退時期が近づき、またイラク政府がテロ組織MKOのメンバーの逮捕と同国からの追放を決意するなか、米当局はイラクから撤退する前に、MKOをイランに隣接する山岳地帯に移住させようと、今から目論んでいるという。

 PKK指導評議会の信頼出来る筋がファールス通信に伝えたところによると、土曜日にホワイトハウス関係者は同評議会に文書を送付し、そのなかでMKOのメンバーがイランとの国境地帯に位置するカンディール山脈に定住する許可を、PKKに求めたという。

 この人物は、米当局はこうした要請の対価として、どのような提案をあなた方に行ったのかとの質問に、「米当局は私たちに、この条件を飲めば、トルコ軍によるPKKへの攻撃は停止されるだろうとの言質を与えた」と回答している。

 PKK指導評議会のこの幹部はまた、この提案は現在検討中であると述べ、米当局の要請に対してPKKがどのような回答を行う予定なのかについては、触れなかった。

 カンディール山脈は人の往来を寄せつけぬ地域であり、現在、PKKやテロ組織PJAK(ペジャーク)の活動拠点となっている。この地域はイランとトルコ双方に隣接している。

アメリカは新たな試練に直面している

 こうした中、外務省報道官は、過激主義とテロリズムを根絶することが必要だと強調した上で、「西洋諸国はテロとの戦いを主張しているが、我が国人民にとって、そのような主張〔が誠実なものであるかどうか〕は多いに疑問である」と述べた。

 本紙記者によると、ラーミーン・メフマーンパラスト報道官は、週の定例記者会見で、テロ組織MKOの名前がアメリカのブラックリストから削除される可能性について、「この件について、アメリカ政府がテロリストの保護という方法を選ぶか、テロリズムとの対決に足を踏み出すのか、今後を見守らなければならない」と述べた。

 また同報道官は、われわれは常に自らの立場を鮮明にしており、新たな試練に直面しているのはアメリカ政府である、と強調した。

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( 翻訳者:塩尻菜穂子 )
( 記事ID:19809 )