MURAT YETKİNコラム:改憲国民投票にイエスか、ノーか
2010年09月02日付 Radikal 紙

私は、世論調査がいつでも信頼できる結果をもたらすとは考えていない。ここ最近の選挙で予想を当てているアディル・ギュルも、人は調査者に対し、「悪口をいえば、自分は政府の機嫌を損ねるのでは」と不安になり、必ずしも本心を語るとは限らないと考えている。そういったことを私は言っているのだ。

その一部は(世論)誘導の目的でなされ、賛成票58%、あるいは反対票52%と示したそれぞれのアンケートには、全幅の信頼をおけるだけの根拠がない。
アンカラ政治の行く末を眺めているギャラリーの一般的見解は以下の通り:
1.賛成票が、2,3%上回るとみられている。
2.これはまだ結論付けられるような差ではない。巻き返しがないとも限らない。
3.そのため、急速に、激しい形で闘争は続く。
この闘争は、国民投票前、最後の週に激しくなり得る。政府は、賛成票を増加させるため、先週行った自営業者貸付金利を下げるというような、新しい経済的“武器”を打ち出す可能性がある。これに対し、『反対陣営』では共和人民党(CHP)と民族主義者行動党(MHP)が、『ボイコット陣営』では平和民主党(BDP)が他の“武器”を使う可能性がある。武器というのは無論、政治におけるそれであるが…。
つまりどんなことがあっても、最後の日、最後の瞬間まで闘争が続くということを私は述べているのである。

なぜなら、問題となるのはただ賛成-反対の闘争ではないからである。9月12日に投票箱から賛成票が出るなら、それはどのような割合であるか、反対票が出ないとすれば、それはどのような割合であるのかも、両派にとって重要となるのである。

この点から、長年にわたり政治家を務める大統領補佐官ビュレント・アルンチュ氏が、何カ月も前から騒ぎ立て始め、そして幾度か繰り返した「60%」という予想(そしてこれは同時に氏の願望でもあった)も意味がないわけでないと言わなければならない。
公正発展党(AKP)派の中で、ここ数週間の間、アルンチュ氏以外でこれを口にしたものはいなかった。しかしアルンチュしがこの予想と願望を述べる際、本当は、ある目標について言及していたのである。
そのことを明らかに述べたことは一度もなかったが、アルンチュ氏が宣言した(超えるべき)バー(60%)は、AKPの側から言うならば実は、2011年の総選挙に向けた戦略的な目標を表したものである。その目標を1,2%下方修正してもいいと思うが、「賛成」が60%以下となった場合、政府によって内外へ勝利が宣言されたとしても、2011年の総選挙を考えると、それは警鐘を鳴らすべき危険を知らせているのだ。政治用語で言うところの、「ビュロスの勝利(割に合わない勝利)」となる。それは勝者らをも満足させない勝利となる・・・。
この状況を分析するため、賛成、反対、ボイコット各派集結のレントゲン写真を見る必要がある。

■各派集結のレントゲン写真
1.ボイコット派:我々が最も分析しやすいこの選択には、コインのような裏表の側面がある。1.投票に行かないBDP票の多くは、もし行っていたなら、「賛成」に投じられることになる。2.しかし数の観点から、(ボイコットするので)実際の投票数(ボイコット派の、あるいはBDP票の賛成票)は減少し、現行のアンケートで「賛成」票が比率的に優位となっているという現状を支えているだけだ。

2.賛成派:賛成票を投じる人々をまとめる共通分母はない。理由は様々である。ある人はタイイプ・エルドアンを支持しているため、ある人は軍部へ、ある人は司法へこの方法によって罰を与えたいために(この中にはCHPとMHPの投票者もいるかもしれない)、ある人は至福党(SP)党員、ある人は大統一党員(BBP)であるために、9月12日に賛成票を投ずるかもしれない。しかし多分彼らが大同団結することはない。ここから出てくるもう一つの結論として、9月12日に賛成票を投じる人の一部は2011年総選挙においてAKPに投票しないということである。

3.反対派:一方で、9月12日に反対票を投じる人々を統合する共通項は存在する。その共通項とは、エルドアンよ、何をやっても、勝手にやるがいい、天から月星を引きずりおろし、冠として被りたければ被ればいい(と言って)、だけど例え何があろうとも「ノー」という決意を変えないということである。つまり私は形骸化した信念について語っているのだが。
そのため、反対票は、1.総選挙においてエルドアンとAKPには決して投じられない票、2.大部分がCHPとMHPに投じられる票数と割合を示す、3.賛成票の一部はCHPとMHPの票であり、総選挙ではAKPには投じられず、自身たちの巣(すなわちCHPとMHP)へ投じられる。

■47%の心理的境界線
そのため、9月12日に投票箱から出てくる反対票が、2007年にAKPを一人勝ちさせた47%を越えた途端、2011年の選挙においてAKPが単独勝利を納める可能性は弱まると言うことができる。(それどころか、60%という数字を2,3%下げたように、この数字も下げて、「(反対)45%以上」と言ってよいだろう)。
反対票が47%近くになることは、AKPが2011年にこの割合の票を得ることが、ほとんど不可能であることを意味すると考えることもできる。
すなわち9月12日に投票箱から60%近くの賛成票がでなければ、2011年にAKPが一人勝ちすることはなくなるであろう。政治的バランスが示しているのは、まさにこのことなのである。

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( 翻訳者:西山愛実 )
( 記事ID:20084 )