イラク、各国の自動車メーカーと国内製造・組立契約を締結、日本・韓国の企業とも交渉中
2010年10月18日付 al-Sabah al-Jadid 紙

■ 年間にサルーン車30,000台、トラック1,000台の製造を世界各国の企業と契約

2010年10月18日付『サバーフ・ジャディード』紙(イラク)経済面

【バグダード:シュメール・ニューズ社】

 イラク産業・鉱物省は一昨日、様々な車種やメーカーのサルーン車とトラック、それぞれ年間30,000台と1,000台の製造・組立を請け負う契約を各国企業と締結したと発表した。また、サルーン車の製造・組立ラインの建設を目指し、日本や韓国の企業と契約する意向であることも明らかにした。

 産業・鉱物省傘下の自動車製造公社ゼネラル・マネージャー、アドナーン・アフマド・ラズィーン氏は、同社がサルーン車の製造・組立ラインを請け負う契約を中国およびイランの企業と結び、また、トラックの製造・組立についてはスウェーデンのスカニア社、ドイツのメルセデス社、カンバーランド社、フランスのルノー社と契約したと発表、「契約が履行されればわが社の生産はサルーン車が年間30,000台、トラックは各社250台分で年間1,000台に達する」と語った。

 自動車製造公社は2009年初めにスウェーデンのスカニア社とトラック組立の契約を、2010年にはメルセデス社、ルノー社と両社のトラックの製造・組立の契約を結んでいた。一方で2010年初めに中国およびイランの企業とサルーン車組立の契約を結んでいたが、契約の詳細は明らかにされていなかった。

 ラズィーン氏は「当社は現在、6種類のサルーン車を生産している」と説明しつつ、契約した中国の企業はチェリー、ジーリー、リファン、BYDの4社で、イランの企業はサーイパーとイラン・ホドロウであると言い添えた。また、「これらの自動車は全て通行に必要な登録を行い、国民に直接販売される」「サルーン車の価格は1台につき800万から1,400万ディナールである」と説明した。

 続けて同氏は、これらの契約締結は国際的なメーカーのサルーン車製造・組立ラインを国内に築くことを狙ったものだと述べ、「当社は現在、日本および韓国の企業とも交渉中である」と明かした。

 2009年11月12日に内閣官房は政府の全省庁・機関に対し、傘下の組織が製造・販売している製品の種類や仕様の一覧表を提出するよう勧告を出したが、その狙いはこうした製品の販売を国内で促進し、公共部門の需要を補うことにあった。また、2009年に公布した政令第290号では、全省庁、さらには省庁とは関わりのない公共機関に対しても、国産品を支えるために産業・鉱物省の製品を購入するよう義務づけていた。

 また政府の経済委員会は、産業省傘下の企業が製造した自動車については2009年の政令第215号の適用を除外するという、産業省からの提案を承認した。この政令では新しい自動車を購入する際にはそれまで所有していた自動車を廃車処分にすることが自動車売買公社に義務付けられていた。

 産業・鉱物省の一機構である自動車製造公社はバグダード南方のイスカンダリーヤに本社を置く株式非公開の会社で、旧政権時代にはスウェーデンのスカニア社やメルセデス社とトラック組立の契約を結んでいたが、1990年代にイラクに課せられた経済封鎖により契約は無効になった。

 ちなみに、産業・鉱物省傘下の公社や工場のほとんどは、2003年のイラク戦争以来の略奪や損壊で生産を停止していた。

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( 翻訳者:森本詩子 )
( 記事ID:20459 )