ハーメネイー最高指導者、ゴムのイスラーム神学校関係者に向けて演説
2010年10月23日付 Jam-e Jam 紙

イスラーム革命最高指導者のアーヤトッラー・ハーメネイーは木曜日の朝、ウラマーや神学校教授、各学校の校長、及び神学生ら、大勢の熱烈なる宗教関係者らの集会に姿を現し、〔‥‥〕イスラーム神学校とイスラーム共和国体制の相互依存関係について存在するまやかしの数々について論じつつ、イスラーム共和国体制の弱体化と、イスラーム神学校ならびに宗教指導者の孤立化を狙うイスラームの敵の戦術について指摘した。

〔‥‥〕

 アーヤトッラー・ハーメネイーはこの議論のなかで、「イスラーム宗教界の政治的・現代的諸問題への関与は宗教界そのものへの敵意の増大と尊厳の低下を招いている」と喧伝するような議論は、まやかしにすぎないと喝破した。

 ハーメネイー氏は〔‥‥〕さらに次のように指摘した。
シーア派の宗教指導者たちは全体的に見て、常に社会的・政治的問題に関わってきた。イスラームであるか否かを問わず、世界のその他の宗教指導者たちが享受していないような深み・影響力を彼らが有しているのは、まさにこのことが理由なのである。

 イスラーム革命最高指導者は、政治的・国際的諸問題にイスラーム宗教界が活発に関わることが必要である第二の理由として、「イスラーム教の強化」を挙げ、さらに「宗教指導者とは、宗教の下僕にして兵士である。もし彼らが消極的な動きしか示さなければ、宗教はダメージを受けてしまうであろう。これは彼らの存在意義と矛盾する」と加えた。

〔‥‥〕

 イスラーム革命最高指導者は、宗教指導者を〔行政・司法・立法などの各分野で国の統治に関わり、イスラーム共和国体制を支えている〕「政治的宗教家」と〔国の統治に関与しようとせず、もっぱら神学的・形而上学的問題にのみ関心を寄せる〕「非政治的宗教家」に分けることは、まったくの誤りであるとし、さらに次のように指摘した。
国の統治に赴き、その任をまっとうすることが、その他すべての目的と同様、もし世俗的関心・欲望のためであるならば、それは受け入れられない。しかしもし一人の宗教指導者が、精神的・神的目的をもって、国体を護持し、統治の任を受け入れるならば、それは〔イスラームの行動理念である〕「善を命じて悪を禁ずる」(勧善禁悪)の最高の証明、「神の道への努力」の明白な証明となるだろう。

〔‥‥〕

 ハーメネイー氏はさらに、〔‥‥〕次のように述べた。
一部の人物が革命的な意志・感情に異を唱えているとしても、それは問題ではない〔※〕。むしろ問題は、敵がこうした反対意見に依拠して、〔反体制的な〕雰囲気作り〔=反体制プロパガンダ〕に努めていることにある。宗教界は、この問題に大きな関心をもたなければならない。

〔※訳註:イスラーム宗教界のなかに、イスラーム共和国体制そのものを支持していなかったり、現在の体制のあり方に異を唱えたりしている宗教指導者(例えばサーネイーなど)がいることを暗示している〕

 ハーメネイー氏は、革命的で「バスィージな」宗教指導者を孤立化させ、「殉教と殉教者を侮蔑」し、イラン国民による「聖なる防衛」に疑問を差し挟むような言動こそ、宗教界における革命的雰囲気を弱体化させようと、イスラームに異を唱える者たちが用いている常套手段の一つに他ならないと指摘し、宗教界の指導者たちに向けて、この問題に十分注意するよう勧告した。

〔※訳註:「バスィージ」(「動員」の意)とはイスラーム共和国体制の護持を掲げる、革命防衛隊傘下の民兵組織で、「積極的かつ熱狂的に体制を護持すること」という性質を表す形容詞として「バスィージな」という語が用いられる。また「聖なる防衛」とはイラン・イラク戦争のこと。〕

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
関連記事(革命最高指導者「国は科学ジハードを必要としている」)

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:種谷悠樹 )
( 記事ID:20552 )