革命最高指導者「神学校は自由な思想、新思想生産の場であるべきだ」
2010年10月26日付 Jam-e Jam 紙

アーヤトッラー・ハーメネイー・イスラーム革命最高指導者は日曜の夜、ゴムの神学校の教授・神学者やエリート神学生らと会見し、「学問」こそ神学校の本質であると語り、〔‥‥〕
・神学校は、〔イスラーム法学上・神学上の〕疑問や懐疑を歓迎すべきであること、
・自由な思想をもって、〔思想の〕硬直化を避けるべきであること、
・学問の本質を信頼すること、
・反対意見に対しては、論理的で理性的な方法で対応すること、
・神学校には多様な学問分野が必要であること、
・神学校は道徳・教育システムであること、
・敵を知るための「敵学」の必要性、
などについて、重要な論点を指摘した。

〔‥‥〕

 ハーメネイー師は、宗教心の普及・深化に対するアメリカやシオニズムなど抑圧主義諸国の敵意を指摘した上で、「〔預言者ムハンマドに対する〕侮辱的な風刺画、コーランの焼却、その他世界的なシオニズム・ネットワークによる諸々の活動と計画は、イスラームの敵たちがいかに汚れているかを示すものである。彼らを見くびってはいけない」と述べ、さらに「当然のことながら、神学校はこういった敵意に対して沈黙することはできない。理性をもって、抑圧主義諸国の動きに対応している」と続けた。

 イスラーム革命最高指導者は、敵を知り、敵の道を歩むような行為〔=敵の意のままに誘導されること〕を完璧に避けることが必要だと指摘し、「国民一人一人、特に神学校関係者は、敵の望むような道を一歩でも歩むことのないよう、また敵の望むようなことばは一言でも発することのないよう、常に注意をしておくべきだ」と述べた。

〔‥‥〕

 ハーメネイー師は、植民地主義的・抑圧主義的な〔プロパガンダ〕装置が200年もの間、ムスリム諸国民に〔自らに対する〕蔑みや〔植民地主義支配に対する〕怠慢の感覚を創出しようとしてきたことを指摘し、こう語った。「イスラーム革命は、名誉、正義、忍耐、イスラーム・アイデンティティなど、エポックメーキング(画期的)な諸概念をイスラーム共同体の記憶に生き生きと蘇らせ、抑圧者たちの長期計画を水泡に帰した」。

「イラン国民は制裁という武器を打ち砕いた」

 イスラーム革命最高指導者は、堅忍不抜の精神こそ、イスラームの偉大なる預言者に対する神の基本的な教えの1つであると指摘し、こう述べた。「偉大なるイマーム〔・ホメイニー〕は、42年〔西暦1963年〕の運動〔※〕のまさに最初から、諸々の困難に対する堅忍不抜の精神によって、この運命を決定づける教訓をイラン国民に教えた。最も厳しい困難が吹き荒れる中にあって、いかなる暴風によっても、〔ホメイニーの〕鋼のように堅い意志・決意が揺らぐことはなかったのだ」。
〔※「42年の運動」とは、1342年ホルダード月15日(西暦1963年6月5日)にゴムやテヘランをはじめ、イラン各地で起きた反国王運動のことで、それまで知る人ぞ知る存在だったホメイニーが、反体制運動の指導者として全国的に知られるきっかけとなった。この運動は1979年革命への「リハーサル」とも言われている〕

 同師は、真の価値を知るイラン国民がイマームの堅忍不抜の精神に忠実に従っていることこそ、イスラームの敵による「陰に陽に絶え間なく続く」陰謀の数々を無に帰してきた根本的な要因なのだとし、次のように語った。「力に物を言わせる世界の暴君どもは、今日対イラン制裁をめぐって、騒ぎを巻き起こしている。しかし、この国民は30年もの間、制裁という武器を自らの堅忍不抜・抵抗の精神によって打ち砕いてきた。そして今、その洞察力、抵抗力、そして神の恩寵によって、イラン・イスラーム共和国は自らの政治的力の絶頂ににいるのだ」。

〔‥‥〕

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( 翻訳者:阿部文美 )
( 記事ID:20561 )