イラン外務省、フランスへの渡航に警告
2010年11月03日付 Jam-e Jam 紙

フランス政府が自国の安全を確保できない危機的状況が続いていることから、イラン外務省は自国民にフランスへの渡航を控えるよう勧めることになった。

 サルコジ政権の政策の一つである年金制度改革に抗議の意志を表明するため、フランスではストライキやデモ、さらには路上での暴力行為などが、1ヶ月間以上にわたり続いている。

〔‥‥〕

 フランス政府はこうした混乱に対抗するため、治安部隊や機動隊を投入し、抗議運動の参加者多数を逮捕した。こうした混乱と時を同じくして、アルカーイダもフランス政府に対して、アフガニスタンからの部隊の速やかな撤退を拒み、自国に住むイスラーム教徒に対して差別を続けるならば、フランス国内で作戦行動を実行に移すと脅迫した。

 ラーミーン・メフマーンパラスト外務報道官が同国への渡航について対応を示すことになった理由の一つに、こうしたフランスの混乱した状況があるのは間違いない。

 同報道官は国内外のメディア関係者との記者会見のなかで、「一部の西洋諸国では、経済危機によって状況に変化が生じており、これらの国々では社会的混乱が起きている。これに関して、フランスの混乱は激しさを増しており、それゆえ我々は、不必要な旅行のためにフランスに渡航することのないよう、国民に勧告する」と語った。

 同報道官はさらに、「仮にフランスへ旅行する場合は、国民は十分注意されたい。なぜなら、フランスの危険度は最大限に達しているからだ」と付け加えた。

〔‥‥〕

 しかしながら、〔フランス国内の〕混乱ぶりだけが、今回の警告の唯一の原因ではないようだ。最近のイラン・フランス関係をみると、二国間関係はくすみがちなのがわかる。

 〔2009年の〕大統領選挙後の一連の事件におけるフランスの対応は、内政に介入し、イラン国内の混乱を煽る種類ものだった。ベルナール・クシュネル仏外相は選挙後の混乱のさなか、「ラ・パリジャン」紙とのインタビューのなかで、「在イランフランス大使館には、イランで〔官憲の〕追跡を受けているデモ参加者たちから保護の要請があった場合には、彼らの要求を受け入れ、彼らに保護を与えるよう、命令が下されている」と述べていたのだ。

 またニコラ・サルコジ大統領も、選挙後の混乱で抗議運動に参加している者たちへの支持を何度もはっきりと表明し、「イランの不正選挙」なるものに対して、明確に非難したのであった。

〔‥‥〕

Tweet
シェア


関連記事(第一副大統領「我々には、アメリカに追従する国々を懲らしめることも可能だ」)
原文をPDFファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:種谷悠樹 )
( 記事ID:20650 )