ローマ教皇特使がイランを訪問:ゴムの一部宗教指導者と会談
2010年11月13日付 Jam-e Jam 紙

ローマ教皇ベネディクト16世の代理人として、ジャン・ルイ・フォラン枢機卿がイランを訪問した。イランのアフマディーネジャード大統領がローマ教皇に宛てた親書に対する教皇からの返書を同大統領へ渡すこと、及びゴムを訪問して高位の宗教的権威・ウラマーたちと会談することが目的である。

 先のメフル月中旬〔西暦10月上旬〕、イラン国会のモハンマド・レザー・ミールタージョッディーニー副議長はイタリアおよびバチカンを訪問、イタリアの当局者と会談する一方で、イラン大統領の書簡をバチカンの現ローマ教皇ジョセフ・ラッツィンガー氏(ベネディクト16世)に渡した。

 マフムード・アフマディネジャード大統領はその書簡の中で、アメリカ人牧師が聖コーランを侮辱したことに対して批判的な態度をとったことに関し、ベネディクト16世に感謝の意を表明し、また同氏に対して世俗主義との共闘を呼びかけた。

 イラン大統領がここで触れているのは、9.11事件の記念日の数日前にコーラン焼却イベントを開催すると脅迫してきた、フロリダの小さなキリスト教会の牧師テリー・ジョーンズのことである。アメリカの牧師によるこの侮辱的な決意表明は、世界的な反対運動の波を引き起こし、様々な国でイスラーム教徒による広範なデモ活動が発生した。

 こうした中、ローマ教皇ベネディクト16世は、この過激な牧師に対して、こうした行為は控えるよう警告を発した。アフマディーネジャード大統領がローマ教皇ならびにバチカン諸宗教教皇会議に宛てて、次のような書簡をしたためたのは、こうしたことが背景にあるのである。「聖なる神のことばを侮辱しようという米国フロリダ州の教会の愚行は、多くのイスラーム教徒の心を傷つけるものでした。それを非難した貴殿の態度に感謝いたします」。

 アフマディーネジャード大統領はまた、この手紙において、世俗主義に対し一致して立ち向かおうとローマ教皇に呼びかけている。

 イラン大統領はこの手紙の別の箇所で、イランはバチカンとの二国間関係の発展を、自らの外交政策の最優先事項のひとつと考えているとも記している。

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( 翻訳者:阿部文美 )
( 記事ID:20762 )