イラン人有名声優が死去:「キャプテン翼」のナレーターなどを務める
2010年12月22日付 Jam-e Jam 紙


 秋が終わる最後の日〔=12月21日、イランでは9月23日から12月21日の3ヶ月間を「秋」と呼ぶ〕、ある「声」がこの世を去った。その声は、誇張でも何でもなく、ここ数世代の人々にとって忘れることのできない、甘い記憶をともなう声だ。

 昨日モハンマド・ホセイン・バーギー氏の声が永遠に消え、イラン芸術界は再び喪に服した。彼の声は多くのファンの記憶に、これからもずっと残るだろう。バーギー氏はテヘラン市内の病院での一年間の闘病生活の末、この世に永遠の別れを告げた。

 「電気おじさん」役、アニメ『蜜蜂マーヤの冒険』の愛すべきキャラクター「四つ手」〔バッタの「フィリップ」と思われる〕役、人気アニメ『キャプテン翼』のナレーター役、〔警察の〕運転マナー向上用宣伝アニメにおける「スィヤー・サーケティー」役などが、故ホセイン・バーギー氏の永遠不滅の功績として残っている。

 ベテラン司会者のベフルーズ・ラザヴィー氏はモハンマド・ホセイン・バーギー氏について、ジャーメ・ジャーム紙に「ホセイン・バーギー氏の声は間違いなく、記憶に残る最も印象的な声だ」と述べている。

 モハンマド・ホセイン・バーギー氏は40年間に及ぶキャリアのなかで、様々な分野を経験し、彼が出演したすべての仕事で圧倒的な存在感を示した。彼はイランで最もすばらしい声の持ち主であったと言っても過言ではない。

 彼はきわめて礼儀正しく、謙虚な人物だったため、同僚たちの賞賛を浴びた。彼と仕事をしたことのあるアーティストらは皆、彼との共同作業について記憶に残る最高の思い出を持っている。

 バーギー氏の声はラジオ、テレビ、映画、そしてもちろんさまざまな宣伝・広告でも長年にわたって使われてきた。実際、多くのスポンサーが自分たちの商品やサービスの宣伝に彼の声を用いようと、彼との契約取り付けに躍起になっていたのだ。

 その声は決して衰えることも、か細くなることもなかった。あらゆる分野でその声を惜しみなく使ったにもかかわらず、その声を聞く人たちを飽きさせることがなかった。ご冥福を申し上げる。

(本記事はAsahi中東マガジンでも紹介されています。)

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( 翻訳者:渡部智士 )
( 記事ID:21085 )