航空宇宙分野におけるイランの最新成果がお披露目
2011年02月08日付 Jam-e Jam 紙


アフマディーネジャード大統領「年内から来年にかけて、国産人工衛星を多数、宇宙に向けて発射する計画」

 「ファジル(夜明け)」、「ラサド(観測)」、「アミール・キャビール1号」、そして「ザファル(勝利)」という4機の人工衛星が発表され、イラン・イスラーム共和国は宇宙分野へのより積極的な進出に、また一歩近づいた。

 87年〔西暦2009年〕に人工衛星「オミード(希望)」の発射によって、初めて航空宇宙工学の分野で成果を残した我が国の研究者らは、今回の新型人工衛星の製造によって、宇宙空間へのより長期かつ実践的な進出に向けた足場を築いた。

 メフル通信の報道によると、アミール・キャビール工科大学の研究者らによって設計・製造された「アミール・キャビール1号」の任務は、洪水や地震という自然災害の分野で研究を行うことにある。

 このプロジェクトに参加しているのは、アミール・キャビール大学で電気や機械、コンピュータ、航空宇宙工学〔‥‥〕などの分野を専門とする教授や学生ら80名で、彼らは今回、人工衛星の最初の試作機の製作に成功した。計画によれば、この人工衛星を1390年オルディーベヘシュト月〔2011年4〜5月〕にも発射する予定だという。

 人工衛星「ファジル」は、国防軍需省と通信情報技術省の尽力により実現した衛星で、必要なエネルギーを太陽電池から確保する仕組みになっている。この衛星は、偵察衛星の一種で、永続性・耐久性に優れ、長期にわたって宇宙空間にとどまることが可能だ。

 なお、2年前、イランの宇宙進出の先駆けとして発射された人工衛星「オミード」の寿命は約2ヶ月に過ぎなかった。

 さて、昨日お披露目されたその他のプロジェクトに、人工衛星「ラサド」と「ザファル」がある。これらはそれぞれ、マーリク・アシュタル大学、及び科学産業大学によって製造されたものである。人工衛星「ラサド」の主要任務は、遠隔からの画像撮影及び測定で、同衛星による画像撮影は気象学や海上国境線の判別、河川の流れの描写などでの応用が期待されており、これらの描画は国家的なプロジェクトに活用される見込みだ。

ラサドとザファルの発射時期は今後発表

 これらに加え、「カーヴェシュギャル(探究者)4号」、及び人工衛星発射ロケット「サフィーレ・ファジル(夜明けのメッセンジャー)」の第1・第2エンジン〔‥‥〕なども、航空宇宙工学分野での我が国の研究者たちの成果の一つとして、昨日大統領が見守る中、お披露目された。

 マフムード・アフマディーネジャード大統領はまた、〔大統領の出身大学である〕科学産業大学の研究者により設計・製造された人工衛星「科学と産業の吉報」の試作機の発表も、自ら行った。

 重量50キログラムのこの人工衛星は、現在宇宙への発射に向けて順番待ちをしているところだ。

 人工衛星「科学と産業の吉報」は、一般に向けて〔=宇宙空間から地表面に向けて?〕「おおマフディーよ」のメッセージを発信することを、その任務としている。
〔※訳註:マフディーとは、シーア派で終末の時に救世主として再臨すると信じられている、お隠れの第12代イマームのこと。アフマディーネジャードはマフディー信仰がきわめて強いことで知られており、この人工衛星の任務も、その脈絡におけるものだと考えられる〕

有人宇宙飛行へ向けたプロジェクト、開始される

 イラン国営通信(IRNA)はまた、イランは国産衛星を宇宙に発射する際、将来的にサルを乗せることも計画していると報じた。

〔‥‥〕

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( 翻訳者:岡本詩織 )
( 記事ID:21480 )