ベン・アリー危篤の報
2011年02月18日付 al-Quds al-Arabi 紙

■サウジ情報筋と親族の友人、ベン・アリーは危篤状態

2011年02月18日『クドゥス・アラビー』

【ドバイ、チュニス】

追放されたチュニジア大統領ザイヌルアービディーン・ベン・アリー(71歳)の親族に近い人物とサウジアラビア情報筋によれば、1月14日に人々の圧力により国外逃亡したベン・アリーは、2日前、サウジアラビア、ジェッダの病院で脳卒中の後「意識不明」に陥った。

元大統領一族と親しい人物は、湾岸某国のAFP通信社との電話取材で、「ジェッダの病院で、2日前から意識不明となった」、「脳卒中で危険な状態にある」と述べた。

[これについてチュニジアでは、]50歳になる学校教師アーディルが、「もし彼が死んだのなら、彼は亡命した独裁者なのだから、私は、それは良い結末であると言おう。私たちはページを閉じたのだし、この国にはやるべきことが他にもある」と述べた。また、首都チュニス中心部の学生アミーン(25歳)は、「もし彼の死が確実なら、僕はためらいなしに神の罰は素早く下ったと言うね」と述べ、「僕らの国に埋葬するのは反対する」と付け加えた。

他方、サウジ情報筋は、木曜(17日)に、前チュニジア大統領がサウジアラビアの病院に搬送されたと断言した。その匿名の情報筋は「彼は危険な状態にある」と述べた。

ベン・アリーの病院搬送に関し質問されたチュニジア政府報道官タイイブ・ビックーシュは、そのことは断言出来ないとして、「彼の健康状態は金曜午後の閣議で検討されよう」と述べた。

ベン・アリーとその親族は、北アフリカの国で23年間続いた統治を終わらせた民衆的抗議運動の末、1月14日サウジアラビアに亡命した。

政府に近い筋は、「(ベン・アリーの健康状態悪化についての)情報は一致している」、「情報源にはある程度までバラエティがある」と述べ、それ以上の説明を断った。

チュニジア版ル・コティディアン[Le Quotidien]紙は「ベン・アリー脳卒中」という見出しの記事を出した。その中ではチュニジア問題を専門とするフランスの記者ニコラ・ブーのレポートが取り上げられており、危篤状態のベン・アリーは、「安全上の理由でサウジアラビア王子の名で治療されることになる」と明言されていた。

ベン・アリー時代に批判的な記事によって投獄されていたジャーナリスト、タウフィーク・ベン・ブリークは、AFP通信社に対し、彼は「ほとんど苦しみの中に居る」と感じていることを告げ、「私は彼を忘れることはできない。私たちの中で彼はまだ自分たちの過去の一部であるし、私たちの中で長く生き続けるだろう」と述べた。

反体制派の共産党[チュニジア労働者共産党]リーダーであるハマー・ハンマーミーは、「世界の全ての独裁者の末路だ」とコメントした。

ベン・アリーには、以前の結婚でもうけた3人を含め6人の子がいる。現配偶者ライラ・タラーブルシーと共に登場することが多かったが、衰弱しており、経済を握っていたとして告訴されている妻の家族の影響下にあったとみられている。

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( 翻訳者:石川貴子 )
( 記事ID:21546 )