アーヤトッラー・ジャンナティー「中東地域で続発する蜂起を支えるのはイスラーム希求の精神」―テヘラン金曜礼拝の説教にて
2011年03月18日付 Jam-e Jam 紙

アーヤトッラー・ジャンナティーはバーレーン国民の虐殺についてふれ、「今日イスラーム諸国の一部を支配する列強は、自由を求め、反抑圧に立ち上がったバーレーン人民に対して、野蛮にも攻撃を仕掛けてきた。しかし〔地域の〕諸国民による運動を支えているのは、イスラーム希求の精神、正義の精神なのである。神の御心によって、この運動は〔中東地域を超えて〕アメリカ国境をも横断するだろう」と強調した。

〔中略〕

 同氏は、今やアメリカは、望もうと望むまいと崩壊の一途をたどっているが、このことに目を向けようとしていないと述べた上で、リビアの独裁者による同国国民の虐殺について触れ、次のように語った。「リビアでは、実際のところ一人の狂人が支配者となっている。私はいつも、この国の人々は一体どのようにして、このような〔…〕狂人の存在に耐えられるのか、疑問に思っていた。ああ、神に感謝を!今日彼らの辛抱も限界に達し、ついに立ち上がったのである」。

 テヘラン臨時金曜礼拝導師は、「勇ましいリビア国民は独裁制に対して立ち上がった。彼らはイスラーム革命を手本にしている。しかし、さらに痛ましい惨劇がバーレーンで起きてしまった」と述べた。

 アーヤトッラー・ジャンナティーはその上で、「バーレーン国民の圧倒的多数はシーア派である。彼らはシーア派であるというだけでいつも迫害され、権利を奪われてきた。しかし今や彼らは、自分たちで何ごとかを成し遂げることができるということに、気が付いている。彼らが行動を起こしたのは、そのためなのである」と付け加えた。

 同氏は続けて、「何より辛いのは、バーレーン政府が自国民によって敗北に追い込まれたとき、サウジアラビアやアラブ首長国連邦に〔鎮圧を〕頼ったことである。しかしどんな国際法も、このような行為〔=他国に軍隊を派遣すること〕を認めてはいない。こうした措置は、あらゆる法に背く行為なのだ」と語った。

 テヘラン臨時金曜礼拝導師はまた、「エルドアン〔・トルコ首相〕も言ったように〔※〕、今やバーレーンは〔第3代イマーム殉教の地の〕カルバラーなのであり、〔バーレーンのシーア派住民は〕敵による辱めを耐えるべきではなかった。むしろ殉教者となるか、あるいは戦場の勝者となる〔かのどちらかを選ぶ〕べきだった〔=バーレーンのシーア派住民は湾岸協力会議が派遣した軍隊に屈することなく、徹底抗戦すべきだった〕。これらの犯罪行為すべてにアメリカの手が介在しているのは明白であり、アメリカはこの一連の流血事件に対して第一の責任がある」と語った。
〔※湾岸協力会議によるバーレーンへの軍隊派遣は「第二のカルバラー」を生み、イスラーム世界を分裂させることにつながると、エルドアン首相が警告したことを指す〕

 アーヤトッラー・ジャンナティーは、「ムスリム、イスラーム学者(ウラマー)、イスラーム諸国会議機構、ならびにイスラーム諸国の当局者たちは皆、今回の虐殺に対して責任があり、バーレーン国民の権利回復のために支援する義務がある」と述べた。

 同氏はまた、日本で起きた地震と津波に関しても触れ、同国で起きた出来事に遺憾の意を述べた上で、水害に遭った人々が直面している問題解決に向けた、市民による支援を呼びかけた。

〔‥‥〕

(本記事はAsahi中東マガジンでも紹介されています。)

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
関連記事(テヘラン金曜礼拝参加者ら、中東地域の傀儡政権に嫌悪の念を表明)

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:米川千帆 )
( 記事ID:21945 )