大統領「低所得者層が経済発展の犠牲者になってはならない」
2011年04月09日付 Jam-e Jam 紙

大統領は自国の文化、ならびにイラン的・イスラーム的価値観の保護が必要だと強調し、「社会の低所得者層を経済発展の犠牲にしてはならない」と述べた。

 イラン国営放送報道センターの報道によれば、マフムード・アフマディーネジャード氏は、政府によるケルマーンシャー州への地方訪問2日目の昨日、同州の行政機関の高官らを前に演説を行い、人間的・倫理的・イスラーム的な原則を守りつつ国を建設し、そのためのモデル〔を構築すること〕が必要であるとの認識を示した。同氏はその上で、「我々は西洋だとか、東洋だとかの〔人間〕関係や生活様式を求めているのではない。そうではなく、われわれは倫理的な原則や家族、そして他者の権利への敬意を忠実に守る〔ことを理想としている〕だけだ」と述べた。

〔中略〕

 アフマディーネジャード大統領はまた、昨日ケルマンシャー州で指導的地位にある人々や文化人らと面会し、そのなかで「今日、人類に対して希望を与えるような思想やメッセージを有しているのは、イラン国民を除いて存在しない」と述べた。

 88回目となる政府による地方訪問の一環として演説を行ったアフマディーネジャード大統領は、「昨年に比べて、今年の我が国の状況はきわめて良いものになるだろう」と述べ、「今年はイランの国づくり、経済生産、国富の増強において一致団結し協力しながら、大いなる飛躍を遂げなければならない」と語った。

 大統領は、イラン国民には2つの大きな歴史的使命があるとし、「イラン国民が抱える二つの歴史的使命、それは国家を建設すること、そして人類を目覚めさせ、彼らに対して正義に満ちた世界政府〔の樹立〕を呼びかけること〔‥‥〕、である」と述べた。

 同氏は、人類が歩むべき唯一の道は世界政府を樹立させることであると指摘した上で、「西洋諸国は、物質的な欲求、人間の肉欲こそ本質だと解釈した。こうした彼らの思想によって、激しい軍拡競争や〔第三世界の〕諸国民に対する略奪がもたらされた。彼らの思想が追求したやり方とは、文化を持たぬ少数の資本家が〔世界の〕諸国民の大多数を支配する、というものなのである」と語った。

〔中略〕

 大統領は、内側の国づくりは国際社会との積極的な関わり合いと並行して行われねばならないと指摘し、「内側の国づくりにのみに集中して、国際問題にはまったく関与しない、という考え方は誤りである。もし我が国が重要な国際的課題に積極的に関わらなければ、他の国々がさまざまな計略によって、イラン国民の進歩を邪魔立てするのは間違いないからだ」と述べた。

 大統領は「それ故、我々は〔国際問題に〕積極的に関わることで、世界の政治・経済の領域から抑圧者たちを追い落とさねばならない。なぜなら、清く正しい者こそが世界を運営すべきだからだ」と説明した。

〔…〕

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( 翻訳者:斉藤美海 )
( 記事ID:22160 )