菅首相よりトルコ大統領と首相へ礼状、「災害救援支援に感謝」
2011年04月22日付 Milliyet 紙

日本の菅直人首相は、3月11日の大地震と津波後にトルコが行った支援に対して長い感謝状をしたためた。菅首相はギュル大統領とエルドアン首相に対してMilliyet紙を通して感謝を述べ、「我が国に対してこのような支援をもたらして下さったトルコ人のご厚情は、日本に対する友情を再度確認するものとなりました。日本人を代表して最大のそして心からの感謝の言葉を申し上げます」と述べた。感謝状の内容は以下の通り。

■日本国首相 菅直人

日本は2011年3月11日の現地時間14:46に史上最大の地震で激しく揺れました。今もなお、東日本大震災に続く一連の災害の傷にどうにか対処しようと努力をつくしています。地震とそれに続いた災害は外国人を含め2万7千人以上の人々の死亡あるいは行方不明を引き起こしました。日本は3月11日から今日まで国際社会や友好国からの支援を受けてきました。支援と連帯を頂いた130以上の国々、約40の国際組織、世界のあらゆる地域からの多くの市民団体、そして数えきれない方々に日本人を代表して心からの感謝の言葉を再度申し上げます。

■「心からのメッセージを頂いた」

日本人は世界各地の友人から我々に向けられた絆(「友情のつながり」という意味の日本語)を心から感謝しています。この困難に直面し、「まさかの時の友こそ真の友」ということわざを本当に実感しています。
日本の重要な友人であるトルコからもアブドゥッラー・ギュルトルコ共和国大統領とレジェプ・タイイプ・エルドアン トルコ共和国首相をはじめとして政府関係者、トルコ大国民議会、公的機関から哀悼の意と心からのメッセージを頂きました。
さらにトルコ共和国政府は、震災直後に被災地での救助活動にあたってくださり、緊急支援物資を送ってくださいました;32人からなるトルコ捜索救助隊は3週間という長期間にわたって被災地で救助活動を進めてくださいました。政府関係者だけでなく市民団体そして国民の皆様からも多大な援助の申し出と励ましのメッセージ、金銭面でのご支援を頂きました。我々はこれらの支援をもたらしてくださったトルコ人のご厚情は、日本への友情を再確認するものでありました。日本人を代表して心からの感謝を申し上げます。

■原子力発電所の状況は残念

福島第一原子力発電所で発生した事故は、国際的尺度で「最も深刻」なものと評価され、多大な不安を与えており、私はこの状況を非常に重視しております。福島第一原子力発電所の状況をできるだけ早くコントロール下に置くことは現在の私の最優先事項であります。
この不安な状況の解決に向けた努力を最優先で行っており、政府による共同作業に向けて陣頭指揮をとっております。私は原子力発電所が起こした危機に対処するため、あらゆる力を結集するとともに、次の3つの基本方針のもと行っています:
まず第一に発電所近隣の住民をはじめ市民の健康と安全を最優先に掲げます;第二に、完全なリスク管理を行います;第三に想定しうるすべての事態に対し、将来起こりうるあらゆる状況に対して備えておくということです。例えば、原子力発電所から海に対しての放射性物質の放出に対してはこの問題を解決するための努力を継続しています。さらに政府はすべての食品やあらゆる製品の安全を確保するため、厳格な科学的基準に基づいたあらゆる対策を講じております。市場に流通するすべての日本産の食品と製品の安全を確保し、また今後もそのためにあらゆる対策を講じてまいります。日本政府は、国内外の消費者が日本の食品と製品に安心していただけるように、福島第一原子力発電所における状況や展開は皆様にお伝えし、透明性確保のために努力する所存です。

■温室効果ガスに重点を

日本政府は、将来、類似の事故を防ぐために入手した情報と教訓を全世界と共有し、事故の原因を至急、完全な形で是正することをお約束します。このようなプロセスと同時に、原子力発電の安全性向上のための世界的議論に積極的に参加します。他方、包括的エネルギー政策の観点からは、2,3の問題を明確に解決しなければなりません、すなわち高まる世界のエネルギー需要にこたえることと、地球温暖化に立ち向かうために温室効果ガス削減のために努力することです。
「日本の再生」とともに、クリーンエネルギー利用の拡大を含む世界的なエネルギー問題の解決につながるような危険性のないビジョンを全世界に提示したいと考えております。

■最悪の自然災害

東日本大地震と直後に発生した津波は、日本が第2次世界大戦後に経験した中で最悪の自然災害です。荒廃した東北地方の復興は容易ではないでしょう。しかし私はこの困難な状況は「日本の再生」のために我々に有意義な機会をもたらすと信じています。政府は全世界に対して、東日本のために3つの基本原則に基づいた最新の開発復興計画を提示したいと考えています:
まず第一に、自然災害に強い地域社会の創出。第二に人が地球環境と調和して生活できるような社会システムの構築。そして第三番目に弱者をはじめとした他者に配慮する思いやりのある社会を作ることです。

■戦後の焼け跡から生まれた

我々日本人は、前例のない再生をそして我が国の今日の繁栄をもたらした底力によって、第二次世界大戦の焼け跡から誕生したのです。
日本がこの危機を見事乗り越え、災害の後から再び復興し、これまでよりもより力強く、そして将来の世代のためにより活力がありよりよい日本を創出することに対して、全く疑いはありません。
日本は国際社会から絆と心からの友情を与えられました。私はそのような日本にとっての最適な返礼というのは、国際社会の発展に対してこれまで行ってきた貢献を継続することであると信じております。このため、将来のために輝かしい希望を与え、「未来志向」の復興を実現させるためにあらゆる努力を行います。皆様の引き続きのご支援とご協力に心から御礼申し上げます。
ありがとうございます。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:富田祐子 )
( 記事ID:22227 )