ウラマーや政治活動家ら、「逸脱したグループ」への反発を強める
2011年05月08日付 Jam-e Jam 紙

ヴェラーヤテ・ファギーフ(イスラーム法学者の監督権)への恭順が当局者の仕事ぶりや政治活動の正否を評価する基準となる

ウラマーや政治活動家らはここ数日間、某逸脱グループの活動への反発を強めている。

 こうした中、彼らはヴェラーヤテ・ファギーフへの恭順こそ、当局者らの仕事ぶりや政治活動の正否を評価する際の基準となると指摘しており、政府支持者の間や原理派内部で逸脱したグループが蠢動し始めていることに警告を発している。

 ゴムの金曜礼拝導師であるアーヤトッラー・サイーディーは、同市での金曜礼拝の説教で、国内勢力の側から新たなフェトネ〔※反乱・内乱の意。イスラーム共和国体制の団結を乱す反乱のこと〕が生まれようとしていることに注意を喚起し、「断食も礼拝も行わないような偽善者たち〔※通常、反体制組織MKOを指す〕のおこすフェトネのような陰謀からは、〔体制を揺るがすような〕影響はなんら生じなかったが、その一方で断食も礼拝も行う《身内》勢力の側から、新たなフェトネが生まれる可能性がある」と述べた。

 アルガディール国際財団のアーヤトッラー・ハズアリー理事長も、「政府は〔悪い〕影響力を行使している一部の人々を排除し、そうした影響が政権内部に及ばないようにするべきだ」と述べた。

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「宗教を正しく理解するためには、ジン(悪魔・悪霊)を操る事が出来ると主張する人や神秘主義者にではなく、宗教学者に意見を求めよ」

 イマーム・ホメイニー教育研究所所長のアーヤトッラー・メスバーフ=ヤズディーも、宗教を正しく理解するためには、ジンを操つることができると主張する人や神秘主義者にでなく、宗教学者に意見を求めるべきだと強調し、「理性のある人ならば、宗教を正しく理解するために、その道の人に頼らず、ジンを操ったりする人や神秘主義者、その他それに類する人たちのもとを訪れるようなことを、認めるわけがない」と続けた。

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「逸脱したグループは今も国内にいる」

 革命防衛隊総司令官のモハンマド・アリー・ジャアファリー少将もシーラーズでの演説で、「88年のフェトネ〔※2009年大統領選挙後の反政府暴動〕で、われわれはヴェラーヤテ・フェギーフをめぐって闘った」と指摘したうえで、「逸脱したグループは体制内の様々な場所に浸透している。こうしたグループは革命当初より存在してきたもので、今も国内には別種の逸脱グループが存在しているのである」と続けた。

 ISNA(イラン学生通信)によると、同氏は「国外の敵には、イスラーム革命の本質に打撃を与えることは不可能だ」と指摘しつつ、内なる敵の本質を知ることの必要性を強調して、「注意しなければならないのは、革命的であり続けること、革命とともに歩み続けることは、革命的になることよりもずっと困難なことだ、ということだ。このことはきちんと理解する必要がある」と述べた。

 またジャアファリー氏は、「革命の道にとどまり続けることができるかどうかは、ヴェラーヤテ・ファギーフを心から信じ服従するかどうかにのみ、かかっている。昔も今も将来も、一般市民であるか、国の当局者であるかにかかわらず、監督者であるイスラーム法学者〔=最高指導者〕のご命令に対して反抗する者は、イスラーム革命の意味・概念を理解していない者なのである。このことに疑問の余地はない」と続けた。

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( 翻訳者:塩尻菜穂子 )
( 記事ID:22476 )