ハーメネイー最高指導者「米イスラエルはシリア問題に明らかに関与している」
2011年07月02日付 Jam-e Jam 紙

 イスラーム革命最高指導者のアーヤトッラー・ハーメネイー閣下は木曜日午前、体制関係者及び国民各層と面会し、イラン国民ならびにイスラーム共同体に対して、マブアス祭〔※ムハンマドが預言者として神に召命された日を祝う祭日〕の祝辞を述べられた。同師はその上で、偉大なる預言者の召命こそ〔人類に対する〕最大の神の恩寵〔‥‥〕であるとし、次のように強調した。

地域諸国民によるイスラームの目覚めは、預言者の道に沿った運動である。ムスリム諸国民、そして偉大なるイラン国民は高い意識を持って、アメリカならびにシオニストどもが〔イスラーム共同体内に〕対立を煽るなど、その他計略をめぐらして、この偉大なる運動を逸脱させたり、漁夫の利を得たりするのを許したりはしないだろう。

〔‥‥〕

 アーヤトッラー・ハーメネイー閣下は、北アフリカ・中東地域の一部の国々で起きている出来事は、幸福をもたらすイスラームの恩寵にムスリム諸国民が関心を寄せていることをよく示していると指摘した上で、次のように続けた。

エジプトやチュニジア、その他の国々で見られたイスラームの大いなる目覚めは、覇権主義的な西洋諸国とそれに従属してきた〔現地の〕為政者たちがここ150年間にわたって、地域諸国民に強いてきた不正かつ侮蔑的な〔権力の〕バランスを攪乱し、地域の歴史に新たな一章を始める契機となった。

 イスラーム革命最高指導者は、神の恩寵によって地域情勢の未来は明るいと指摘した上で、今回の激変がもつイスラーム的側面を躍起になって否定しようとする抑圧諸国の頑迷固陋ぶりについて言及し、次のように続けた。

アメリカとシオニストたち、そして彼らの傭兵・同調者たちはあらゆる手段を利用して、諸国民による偉大なる運動を逸脱させ、従属的な子分たちを政権に就かせることで、これまでの不正なる構図を甦らそうとしている。しかし覚醒し、死を厭うことなく戦場に馳せ参じている国民を打ち負かすことは不可能である。

 同師は、アメリカとシオニスト略奪体制の複雑怪奇なる策略に対して、イスラーム世界の諸国民と指導者たちが目を覚まし、警戒を緩めず、聡明さを保つことが是非とも必要だと指摘し、「もちろん、覇権主義者たちの動きは覚醒した諸国民にとって頭の痛い問題を伴うだろう。しかしイスラーム共同体の市民ならびに指導者たちの高い意識と警戒があれば、地域で始まった明るい道のりは、神のご加護により、これからも力強く続いていくだろう」と語った。

〔‥‥〕

 アーヤトッラー・ハーメネイー閣下は、イラン国民とイスラーム体制は正義を希求し、抑圧を排撃する運動であれば、いかなるものでも、つねにそれを支持すると指摘した上で、「どこで反米・反シオニズム運動が起ころうと、またどの国民がアメリカと〔それに従属する〕国内の独裁者たちによる国際的独裁〔システム〕に対して蜂起しようと、英明なるイラン国民はそれを支持するだろう」と述べた。

 イスラーム革命最高指導者は「クローン化」もアメリカの複雑なる計画の一つだと指摘し、最近のシリアでの事件について次のように述べた。

アメリカはエジプトやチュニジア、イエメン、そしてリビアで起きたことを「クローン化」すべく、〔イスラエルに対する〕抵抗の最前線に位置するシリアが困難に巻き込まれるよう仕組んでいる。しかしシリア問題の本質は、その他の国々で起きたこととは異なるのである。

 同師はその上で、

地域諸国におけるイスラームの目覚めの本質は、反シオニズム、反米にある。しかしシリアで起きている問題には、アメリカやイスラエルの手が介在していることは明らかである。われわれイラン国民の論理・基準は、「アメリカとシオニズムの利益になるようなことがスローガンとして掲げられる時はいつでも、その運動は逸脱している」というものである。

と続けた。

〔‥‥〕

 同師はバーレーン国民が置かれている惨状についても触れ、「バーレーン人民の運動は、本質的にエジプトやチュニジア、イエメン国民のそれに似ており、互いに似たこれらの運動を分け隔てることに意味はない。しかし残念ながら、各国民の心の叫びに注意を向ける代わりに、イスラームの敵が望むような道を進んでいる者が一部にいる」と語った。

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:23277 )