「マーザンダラーン・トラ」、ミヤーンカーレ半島に「移住」へ
2011年09月03日付 Jam-e Jam 紙

 ベフシャフル環境局の局長は、「現在、マーザンダラーン・トラを再びミヤーンカーレ地方に戻すための準備を整えているところだ」と述べた。
〔※訳注:マーザンダラーン・トラとは、通称カスピ・トラと呼ばれ、シベリア・トラ(アムール・トラ)と基本的には同種とされる。ミヤーンカーレはカスピ海南東部にある半島の名前〕

 レザー・アフマディー局長はイラン国営通信とのインタビューの中で、「〔2010年に〕ロシアから譲り受けた2頭のトラのうち、残った1頭のトラを〔近く〕ミヤーンカーレ地域に移動させる予定だ」と語った。
〔※訳注:うち1頭は今年の1月にテヘランの動物園で死亡した〕

 同氏はその上で、次のように述べた。「マーザンダラーン・トラの管理・保護のために、ミヤーンカーレ半島の1ヘクタールの土地にフェンスを張り、その他の場所と隔離した。1ヘクタールのこの場所にトラを入れるのは一時的な措置であり、今後数年のうちに、フェンスを張った場所をより広くして、もっと多くのトラをここに収容したいと考えている」。

 同氏はまた、次のように付け加えた。「葦原や湿地帯が、マーザンダラーン・トラの元々の生息場所だった。ところが人間がこの地域〔=ミヤーンカーレ湿原〕に無節操に入り込んでしまったために、この希少種は後退を余儀なくされ、森林地帯に追いやられてしまった。生息地が強制的に変わったことで、マーザンダラーン・トラの本来の生息地は北部の森林地帯だとの誤った考えが生まれてしまった」。

 同氏はその上で、「イノシシが増えるなど、ミヤーンカーレの生態系が混乱してしまった原因の一つは、マーザンダラーン・トラがこの地域からいなくなってしまったためだ。この種を復活させることで、再び生態系に秩序が回復するのではないかと期待している」と語った。

 ミヤーンカーレにいたマーザンダラーン・トラは約70年前、絶滅している。

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:23850 )