トルコでの塩生産
2011年09月11日付 Hurriyet 紙


アナトリアの中央に位置し、「草原のウェディングドレス」と言われるトゥズ湖では、純度99.9%の塩の採取が行われている。

ヤヴシャン採塩所で操業するジハンベイリ鉱業・塩輸送化学工業株式会社のファーティフ・ハクタン社長は会見で、2005年に活動を始めたこの会社が、2006年の民営化後に専売公社の所有していたジハンベイリ・ヤヴシャン製塩所を買収し、操業を継続していると述べた。

■ 塩採取法から塩田法へ

ハクタン氏は、トゥズ湖からは純度99.9%の天然塩が採取できるとし、2006年から今までのおよそ5年間に生産分野で共同事業を展開した会社の参加と、様々な調査や開発により、この業界でさらに前進することを目標とし、そのためにまずトゥズ湖で生塩の生産を行ってきたと話した。

ハクタン氏は、トルコが世界で二番目に大きい塩湖面積を所有していることを強調し、「私たちの塩の生産過程は、湖から自然に湧き出る塩分濃度の高い水を用いて、太陽エネルギーによって水を蒸発させるというものです。数年以内で生産量を上げるために塩田を作る方法を選択しました。現在採塩所にはおよそ8.3km2の塩田があります」と語った。
ハクタン氏は、塩の生産過程を以下のように説明した。

「自然環境のもとで、冬にたまる雨水と地下から湧き出る塩分濃度の高い塩田の水を、ある一定の割合で、ポンプで塩田に運ぶことで私たちの作業は始まる。この運搬作業と一緒に生産の準備も始まる。この作業は冬に始まり、季節の様々な条件により変わるが、平均して4月下旬か5月上旬まで水を入れる作業が続く。この段階が終わると、作業を少し自然に任せることになる」

■ 太陽は私たちにとって非常に重要

ハクタン氏は、「太陽は私たちにとって非常に重要である」と述べ、取り入れた高塩分濃度の水が、蒸発方式をとっている塩田で、底に沈殿し始めることで塩ができると話した。

ハクタン氏は、8月頃に湖と塩田で水が完全に蒸発したのち、沈殿作業は完了し、次に生産段階に至るとし、以下のように述べた。

「以前は人力で行われていた生産を、2006年以降機械を使って行ってきました。これによって質、量の両面においてよい結果が得られました。生産用機械によって、蒸発の後に生産を始めますが、その生産の過程は120日かかります。冬に取り入れた水が蒸発し、年に8-12cmの厚みの塩の生産を確保しています。この厚みを増やすことはできますが、同時に質も保持するという目的があるため、この厚さが限界だと思います」

ハクタン氏は、この120日間の生産過程により、年平均60万から80万トンの生産を行ったと述べ、以下のように話した。

「この生産過程を経て、高品質の塩を採取しています。1日当りおよそ1万トンの生産を行っています。1日当たりの生産量が高いことの最も大きい理由は、生産過程が時節により限られるからです。作業は、50人で3回交代する形で24時間続けられています。塩生産は、機械によって塩田から採取された塩がトラックで貯蔵場に運ばれて、行われています。トルコでは今までこの質の塩は採取できませんでした。ヨーロッパで特に今年の厳冬のため、凍結対策に使うための多量の塩の需要に直面しました。トゥズ湖から初めてヨーロッパに大規模な形で生塩が輸出されました。このようにしてわが社は輸出を始めました。今年わが社はおよそ15万トンの塩をヨーロッパ諸国に送りました」

■ 産業界において3000の主要業種で使われる塩

ハクタン氏は、社会で塩といえばはじめに思い浮かぶのは「食卓で使われる塩」であるとし、以下のように続けた。

「これは非常に重要であると同時にあたりまえのことですが、補足するとしたら、国として年に生産されている塩のたった5%しか食用に使われていません。15%は凍結対策に、残りの80%は産業界で使われています。塩は、産業界において3000の主要業種で、1万4000の下部業種で使われています。化学工業から繊維工業、鉄鋼業から石油化学工業まで、幅広い分野に及んでいます。このことも塩の重要性を示しています。塩がなければ、産業が完全に止まると言っても過言ではないでしょう」

ハクタン氏は、塩市場において世界最大の会社のひとつであり、資金を有するセッラ・ソルト社とともに3年間事業を行ったと述べ、「この会社は、塩の生産過程で用いられる機械から、最終の製品に至るまで、使用されるシステムと機械を製造しています。生産過程でも私たちの会社にノウハウの面で援助しており、専門的な部分でも支援をしています」と話した。

セッラ・ソルト社で化学技術者として働く塩生産の専門家のジョージ・モラレス氏は、世界には岩塩、海塩、湖塩からなる3種類の塩が生産されているとし、「湖塩は世界で非常に限られている」と述べた。

モラレス氏は、トルコでの湖塩の生産は、質の点で多くの利点があると述べ、2年前にもヤヴシャン製塩所に来て同会社で仕事に従事したと話した。

モラレス氏は、以前来たときと今回とでは非常に大きな進歩が見られると述べ、「世界では多くの場所で塩の生産が行われているが、トゥズ湖は非常に異なった構造を持っている。これは、世界ではほとんど見られない構造である。トルコには、塩生産の面において多くの利点がある」と話した。

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( 翻訳者:菱山湧人 )
( 記事ID:23927 )