巨額横領事件、検察の捜査対象に
2011年09月17日付 Jam-e Jam 紙

バフマニー中央銀行総裁「銀行詐欺に関与した疑いのある者たち全員はすでに逮捕」

セイエド・アフマド・ハータミー師「このような天文学的数字の横領は一人の人間の仕業ではなく、恐らく何らかの集団ないしコネクションによる犯行だろう」

 サーデラート銀行を舞台とした3兆トマーン〔約2100億円〕規模の横領事件に関して、大統領が水曜日にアルダビール市民を前に発言を行った次の日、司法権長官は検事総長を今回の巨額金融事件の捜査責任者に指名する指令を出し、そのうえで同事件の詐欺犯らには極刑が必要であると強調した。

 司法権の広報が伝えたところによると、アーヤトッラー・アーモリー=ラーリージャーニーはゴラーム・ホセイン・モフセニー=エジェイー検事総長宛の指令のなかで、最終的な結論が得られるまで、本件の捜査の全過程について正確かつ全面的に監督を行い、捜査の進捗状況について継続的に司法権長官に報告するよう指示を出した。

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 アーヤトッラー・アーモリー=ラーリジャーニーはこの指令の中で、次のように強調している。「事件の内容ならびに容疑者らに関するあらゆる捜査・取り調べは、もっぱら司法権の内部において、担当判事の監督下で行われるべきである。捜査担当者以外の人物・当局による介入は断固として阻止し、違反者らに対しては、法律に従い厳しく対応しなければならない」。

 同氏はまた、「執行機関であれ、治安・警察機関であれ、全関係機関は司法と全面的に協力し、犯人らを法的追及のもとに置く義務がある」とも強調している。

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「なぜこのような事件がおきてしまったかを考えるべきだ」

 テヘランの金曜礼拝導師も昨日、3兆トマーン横領事件、及び同事件に関する当局者らの反応について言及し、「市民は司法権に対し、経済犯らを裁く際は断固たる姿勢を示すよう期待している」と述べた。

 イラン国営放送報道センターの報道によると、ホッジャットルエスラーム・ヴァルモスレミーン〔シーア派宗教指導者の称号の一つ〕のセイエド・アフマド・ハータミー師は昨日のテヘラン金曜礼拝での説教の中で、さらに「このような横領事件は、我が国の経済の歴史においても、金融システムの歴史においても、前例がないものだ」と付け加えた。

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 全国の他の町の金曜礼拝導師らも、金曜礼拝の説教の中で3兆トマーン横領事件について触れ、司法機関による容疑者らへの毅然たる対応と、一刻も早い裁判および処罰を求めた。

大統領事務所、一部報道に反論

 3兆トマーン横領事件をめぐる反響が過熱するなか、大統領事務所の連絡センターは、マシャーイー大統領事務所長のものとされる手紙について、釈明を行った。同所長はその手紙の中で、この事件の容疑者の人物をめぐって、閣僚2名に指示を与えていた。

 イラン国営通信によると、大統領事務所の説明には、「件の手紙は機密文書ではなく、通例に則った法的な文書として書かれ、送付されたものであり、この手紙の内容と銀行横領問題との間には、本質的に何のつながりもない」と記されているという。

 数日前、一部のウェブサイトに掲載されたこの手紙によると、エスファンディヤール・ラヒーム=マシャーイー大統領事務所長は、経済相ならびに道路運輸相に対して、大統領の同意も得ているとして、3兆トマーン横領事件の容疑者が所有する「鉄道技術サービス建設社」(Railway Services & Technical Construction Engineering Co.)に〔国有企業の〕「フーゼスターン鉄鋼社」の一部株式を譲渡するのに協力するよう求めていたとされる。

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( 翻訳者:熊沢絵那 )
( 記事ID:24077 )