アフマディーネジャード大統領、パレスチナ独立国家樹立への支持を示唆
2011年09月26日付 Jam-e Jam 紙

大統領「独立国家誕生はパレスチナ国民の完璧な権利実現に近づく一歩である」

イランのマフムード・アフマディーネジャード大統領は、〔パレスチナ自治政府によって〕パレスチナ国家樹立の〔承認〕申請が国連総会に提出されたことについて、「パレスチナの地の一部でパレスチナ国家が樹立されるということは、パレスチナの領土を放棄する〔=領土の完全な回復を断念する、イスラエルとの二国共存を認める〕ということを意味しない」と述べた。

 イラン国営放送報道センターが伝えたところによると、大統領は国連本部訪問の傍らで、アルジャジーラ・テレビとのインタビューに応じ、「パレスチナ国民は第2次世界大戦時にも、またそれ以前にもすでに存在していた。それゆえ、パレスチナ政府という名の機関が〔今頃〕樹立されるということは、〔本来〕奇異なことなのだ。自らの政府をもち、主権を行使するということは、パレスチナ国民の権利なのである。ところが、世界を支配するシステムや一部の大国は、彼らからこの権利を奪ってきたのである」と表明した。

 同氏は、「パレスチナ国民は〔大地を〕流れる川のように、歴史を通じて存在してきたし、これからも存在しつづけるだろう。国連がもしそれ〔=パレスチナ国家〕を正式に認めないというようなことがあれば、実のところ、それは国連が自らの本来の責務から遊離してしまったということを意味するだろう」と言明した。

 大統領はさらに、「たとえパレスチナの現在の一部指導者たち〔※訳注:ヨルダン川西岸を支配するファタハの指導者たちを指すものと思われる〕がパレスチナ国民の権利履行を怠るようなことがあっても、将来〔新たな〕指導者が誕生して、彼らの権利を履行することになるだろう。パレスチナ国民の存在を歴史から消し去ることはできない。それを目論んだ植民地主義列強による65年間の努力も無駄に終わっているのだ」と付け加えた。

 同氏はまた、「パレスチナ国民は〔歴史上つねに〕存在してきたが、一部の人物はその権利を有効に行使してこなかった。そして彼らは今頃になって、その権利の返還を求めているのだ。イラン・イスラーム共和国は、彼らがパレスチナ国民に与えようとしている以上のものを、同国民は与えられるべきだと信じている」と感情を表した。

※訳注:「一部の人物」「彼ら」とはファタハ指導部を指すものと思われる。

〔‥‥〕

 大統領は、シーア派とスンナ派の違いや、中東でシーア派勢力が台頭しつつあることへの評価を訊かれたことに対し、「私は、シーア派とスンナ派という分け方をそもそも認めておらず、そのような分け方は、イスラーム教徒を分裂させるために植民地主義者や覇権主義者たちが捏造したものだと考えている〔‥‥〕」と述べた。

 大統領はその上で、「シーア派とスンナ派、アラブとペルシアのような分け方は、多くの場合〔イスラーム共同体を〕分断して支配する為に、西洋諸国が創ったものだ。というのも、もしトルコ、イラン、イラク、サウジアラビア、エジプト、その他ペルシア湾岸諸国が互いに寄り添えば、世界のいかなる経済的・政治的・文化的大国もこの地域に対抗することはできないし、誰もこの力に害を与えることはできないだろう。しかし、もし〔中東地域の〕各国が偽りの分断によってバラバラにさせられたならば、間違いなく、敵は容易に、自らの植民地主義的目標を追求することができるようになるだろうからだ」とも付け加えた。

 さらに同氏は、「確かに、地域にはイスラームの敵や人類の敵を利するような話をたまにして、それが敵を利しているということに関心を向けようとしない人たちもいる」と述べた上で、「もし世界の諸国民が協調すれば、西洋諸国がこれほどまでに〔中東〕地域で戦争を起こしたり、〔他の国の領土を〕占領をしたりすることなどできなくなるはずだ。彼らはまず、諸国民を分断し、その上で、自らの目標追求に踏み出すからだ」と明言した。

〔‥‥〕

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( 翻訳者:塩尻菜穂子 )
( 記事ID:24162 )