暗転―ユヌス少年、救出後に心臓停止、死亡
2011年10月25日付 Yeni Safak 紙
救出時のユヌス君
救出時のユヌス君

インターネットカフェで地震に遭遇したユヌス君13歳は、彼に覆い被さった「名もなき英雄」のお陰で一命を取り留めた。ユヌス君は救出の際に、彼を救助した救助隊に時間を尋ねていた。しかしその直後、負傷により内出血を起こし、病院搬送中に命を落とした。幼いユヌス君は、家族でたった一人の死亡者となった。奇跡はかなわなかった。

共和国史上最大規模の震災が襲ったヴァンで生まれたある物語に、トルコ中が涙を流した。インターネットカフェで震災に遭遇し、奇跡的に瓦礫の中から救出されたユヌス君13歳は、救急車でエルズルムへ搬送される途中にこの世を去った。朝方まで、トルコ中が彼の奇跡的な救出劇に元気付けられていたのに。名もなき英雄の胴体が、ユヌス・ゲライ君の盾となったことで彼はコンクリートの山の下敷きにならずに済んだのである。ビルの倒壊現場に到着した救助隊は10体の遺体を内部から運び出した。全ての希望が潰えようとしていたその時、闇夜にユヌス君のかすかな泣き声が聞こえた。声のする箇所で救出作業が集中して行われた。下半身が瓦礫の下敷きになっていたユヌス君の肩には一本の手が置かれており、その指には結婚指輪があった。手の主は亡くなっていた。(その手の持ち主は)瀬戸際でユヌス君の上に覆い被さり彼の一命を救っていたのだ。何時間も継続した救出作業後にユヌス君がコンクリートの山から救出されると、トルコ中に数日ぶりの笑みが溢れた。

■ 「私たちの家は無傷だ」

だが、ハッピーエンドで終わると思われたちょうどその時、予期せぬ事態が起こった。瓦礫の下で負った傷が彼の小さな身体には負担となった。ユヌス君は、瓦礫から救出された後に意識を失った。病院搬送中に心肺停止し、この世を去った。たった数分前、彼を救出した救助隊のおじさん達に向かってまず時間を尋ね、「午後10時だよ」との返答を得ると、「ああ、とても遅くなっっちゃった、お父さんには言わないでね」とこの不運な少年は言っていたのに...ユヌス君の父ユスフ・ゲライさんは、息子が瓦礫から腕、脚、首を骨折した状態で救出された事を伝え、涙を流しながら事の経緯を説明した:
「息子は瓦礫から救出された後、すぐに気を失いました。女性医師は息子が内出血を起こしているのだと伝え、速やかにエルズルムへ搬送しました。私たちもすぐに救急車でアール国立病院へ向け出発しました。しかし、アールへ到着する前にユヌスは亡くなりました。心肺停止していました。」

ユヌス君は昨日10月24日の14時に埋葬された。子供が9人おり(注:のちに10人に訂正)、ユヌス君は8番目の子供に当たり、小学校4年生であると述べた父親の最後の言葉は、運命を止めることは不可能であると示しているかのようであった:「エルジシュにある私たちの自宅は無傷です。インターネットカフェへ行かなければ恐らく死ぬことはなかったでしょう。家族で亡くなったのは息子ユヌスだけです。」

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( 翻訳者:藤井庸平 )
( 記事ID:24351 )