サウジ皇太子死去への弔意をめぐり賛否
2011年10月27日付 Jam-e Jam 紙

 アリー・アクバル・サーレヒー外相がサウジアラビア皇太子の葬儀に出席するために同国を訪問したことに対し、ほんの数時間の滞在であったにもかかわらず、多くの関心が集まっている。イラン外務省を批判する声も少なくない。マフムード・アフマディーネジャード大統領がサウジのアブドゥッラー国王を「高貴なる聖地〔メッカとメディナ〕の下僕」と呼んで、同国王に対して弔意を表明したことも、政府の外交政策に対する批判が高まりを見せる原因となっている。

 これらの批判が指摘しているのは、バーレーンのシーア派信徒たちがサウド家の命令と干渉によって殺戮され、そのためにサウド家の犯罪行為を非難する声明が数多く発出されている時に、なぜ同国の国防相も務めていたサウジ皇太子の葬儀などに、我が国の当局者が出席しなければならないのか、という疑問だ。

 それだけではない。イランが駐米サウジ大使の暗殺を企てていたとアメリカ側が主張したことを受けて、最近一部のサウジ当局者がイランに対して敵対的な発言を行っていることも、サーレヒー外相のサウジ訪問(メディアでは「弔意外交」とも呼ばれている)への批判を呼ぶ要因となっている。

 こうしたことから、メフマーンパラスト外務報道官はこの問題についての釈明を余儀なくされている。ラーミーン・メフマーンパラスト報道官は昨日、テヘランのプレス展示会に姿を現し、その場で次のように強調した。「アリー・アクバル・サーレヒーがサウジを訪問し、同国の当局者に弔意を表明したのは、敵の陰謀を無効化させることが目的だった」。

 メフル通信の報道によると、同報道官は「我が国の外務大臣がサウジアラビアを訪問し、同国の皇太子の葬儀に出席したことは、〔サウジとの〕友好関係を強化し、アメリカとシオニスト体制の目論見を無効化することが目的だったのだ」と付け加え、さらに「敵はイスラーム諸国で起きているイスラームの目覚めに対抗すべく、中東の友好国の間に陰謀をめぐらせることで、各国間の団結と連帯をぶちこわそうと企んでいるのだ」と指摘した。

 外務報道官はまた、イスラーム諸国における人民蜂起に、アメリカとシオニスト体制は恐れおののいていると指摘し、「米・イスラエル両政府はムバーラクのような独裁者が打倒されたことで、地域における同盟国を失ったというのが真相であり、そのことを極めて憂慮しているのだ」とも述べた。

 国会の国家安全保障外交政策委員会の委員の一人も、外相のサウジ訪問は外交の通常の慣例に則ったものであり、受け入れ可能だと強調している。

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( 翻訳者:ペルシア語記事翻訳班 )
( 記事ID:24367 )