アリー・モタッハリー議員「国会運営委員会は大統領喚問案を握り潰そうとしている」
2011年10月25日付 Mardomsalari 紙

【政治部】複数の報道によると、大統領喚問案に署名した一部の国会議員は、喚問実施を断念した模様だ。〔喚問案提出から〕6ヵ月間の「宙吊り状態」を経て、陰に陽に行われてきたさまざまなロビー活動が功を奏した形だ。国民の権利という観点からいかなる法律違反に対しても立ち向かうことを誓った国会議員たちにとって、ここ数日間、「公益主義」が「法治主義」に取って代わったようにも見える。

※訳注:アフマディーネジャード大統領喚問案が提出された理由の一つは、大統領の度重なる法律違反であり、こうした違反行為に対し、大統領を国会に招致して問い質すことは、国会の法的権利である。これに対して、国際社会のなかでイランが難しい状況に置かれていることを考えれば、史上初の大統領の喚問はイラン政治の不安定ぶりを国内外に印象づけることにつながり、体制の「公益」に反するという理由から、大統領の喚問に反対する声も根強く存在する。本記事はここで、「公益」の観点から大統領の喚問を回避する立場が国会内で優勢になりつつある、ということを暗に批判している。


 憲法によれば、国会議員は大統領を喚問する権利を有しており、さらには大統領を政治能力的に不適格であると判断する法的権限すら有している。

※訳注:憲法第89条ならびに第110条によると、国会議員の3分の2が大統領を無能と判断すれば、それを最高指導者に通知することができる。大統領を実際に罷免する権限をもっているのは、最高指導者である。


 アリー・モタッハリー議員と一部の国会議員は、政府による法律違反や当局者による法律への不服従を理由に大統領の喚問を要求している。国会運営委員会のこれまでの動きは、国会議員は自らの法的権利〔=大統領の喚問〕を放棄するよう求めるものであった。こうした状況で、〔大統領喚問案の提出から〕6ヵ月を経てついに、アリー・モタッハリー議員は国会運営委員会が大統領喚問案の受領を宣言しようとせず、また法律を擁護しようともしていないことを理由に、議員辞職を決意した。当然のことながら、なかにはこのような決意を貶めるために、今回の行動は政治的ジェスチャーにすぎないとの見方を示したり、モタッハリー議員に対して決断の撤回を働きかけたりする者もいる。

 このような中、モタッハリー議員は国会運営委員会の活動に対しても抗議の意思を示している。テヘラン選出の議員で、大統領喚問案の中心的起案者の一人である同氏は、議員辞職〔願いを提出したの〕は、大統領喚問案に対する国会運営委員会の対応が理由であることを明らかにした上で、「大統領喚問案〔の受け付け〕が〔国会運営委員会によって〕拒否されても、私の辞職願の拒否はできない」と述べた。

 また同議員は大統領喚問案への一部国会運営委員の対応のあり方を批判した上で、〔…〕次のように言明した。

残念ながら、一方で議会担当の副大統領や各省の次官たちが、他方で国会運営委員会の一部委員らが、あたかもハサミの刃のように、国会議員らに署名を撤回するよう圧力をかけていた。結局、国会議員も一人の人間であるから、複数の方向から圧力に晒されて、「キミの選挙区で予定されている某開発プロジェクトも中止になるよ」などと言われれば、それに屈してしまうこともあるだろう。なぜなら、〔議員には〕有権者に対する責任があるからだ。大統領喚問案を妨害しているこの2つのグループに対して、どうしてこれほどまでに大統領の喚問実現を恐れているのか、問わねばならない。

 またモタッハリー議員は、「これだけの圧力にもかかわらず、71名の国会議員が屈することなく署名を撤回しなかった。私は彼らに感謝している。〔署名の撤回によって生じた〕不足分の2〜3名の署名を〔新たに〕付け加えることなど、造作もないことだ〔‥‥〕」と指摘した。

〔‥‥〕

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( 翻訳者:8410068 )
( 記事ID:24460 )