イラン・コンピューターゲーム事情(1)
2011年11月19日付 Iran 紙


【ドンヤー・ドロストカール】近年、コンピューターゲームの世界では、新世代の家庭用端末や新たな〔ソフト開発〕システム、プログラム、及びツールに目覚ましい発展が見られるようになってきた。〔‥‥〕これに加わる形で、〔イラン国内においては〕我が国独自の内容を備えたコンピューターゲームの制作をめぐって、新たな動きが始まっている。

 ここでゲーム端末やゲームソフトの売り上げ市場について一瞥しておくことは、恐らく無意味ではないだろう。ゲーム市場は最近、いつにも増して過熱気味と言えるほど、顧客である若者たちの注目を集めているが、こうしたなか、ゲーム端末やソフトの市場価格も注目に値する。現在X-Boxの平均価格は新作ゲーム数点込みで、およそ70万トマーン〔約5万円〕である。〔‥‥〕しかし興味深い点は、たとえこのような高価格でも売れているということであり、このゲームを買う人の数は減っていないのである。

 さらに驚くべきは、もし一定時間ゲームの売り場を回って、頭脳ゲームや穏やかな内容のゲームを探しても、手ぶらで帰ることになる、ということである。コンピューターゲーム市場は、驚くべきことに、過激で暴力的な内容のゲームによって占められているのだ。このようなゲームの多くは、攻撃や戦争、体と体がぶつかり合う格闘、そしてテロなどを煽るものとなっている。

 このようなゲームに登場する敵や戦士は、〔‥‥〕基本的にいかなる論理にも、特定の〔行動〕モデルにも従わない。例えば、なぜこのゲームでは身元不明の不特定の人間たちが、ある特定のグループを攻撃しなければならないのか、なぜ殺戮に手を染めなければならないのか、という疑問は出されないのである。〔‥‥〕

 また、固有の宗教的信仰が疑問に付され、ある特定のグループの信条に疑問が投げかけられるような内容のゲームも多い。我が国の若者たちが〔ゲームという〕仮想領域の中にいて、毎日多くの時間をこれらのゲームに費やしているような状況にあっては、固有のアイデンティティや信仰を軸とした国産ゲームの制作の必要性を、これまで以上に強く感じないわけにはいかないだろう。

 こうしたなか「国立コンピューターゲーム財団」は近年、〔輸入ゲームソフトがゲーム市場を支配している状況を憂慮して〕固有のイスラーム的/イラン的な信仰に合致したゲームの制作を、〔国内で〕拡大・普及させようと対策を講じている。

〔‥‥〕

つづく


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( 翻訳者:8409161 )
( 記事ID:24699 )