第2回世界抵抗芸術祭、開幕:「抵抗」という概念によってイランの芸術はグローバル化した
2011年12月01日付 Jam-e Jam 紙


 第二回世界抵抗芸術祭が、バスィージ週間に合わせる形で、芸術アカデミーにて始まった。この芸術祭では、「デザイン」、「絵画」、「彫刻」、「ポスター」、「風刺画」、「アニメーション」、「写真」、及び「現代芸術・コンセプトアート」の8部門で作品を展示している。

 今回の芸術祭はイマーム・ホセインの悲劇を嘆くムハッラム月の時期に近いことから、「抵抗」というコンセプトがカルバラーの伝説と絡まり合い、これまでとは異なった雰囲気を芸術祭に与えている。

 今年は、イランと世界の22の国(パレスチナ、シリア、アメリカ、アフガニスタン、メキシコ、ヨルダン、バーレーン、トルコ、モロッコ、エジプト、ブラジル、ドイツ、ノルウェー、アルジェリアなど)の芸術家たちによる作品(デザイン117作品、絵画317作品、彫刻58作品、ポスター124作品、風刺画312作品、アニメーション映像15作品、写真138作品、コンセプト作品19作品)が抵抗芸術祭において展示されている。「聖なる防衛」〔=イラン・イラク戦争〕、「中東地域におけるイスラームの目覚め」、「エルサレム占領体制〔=イスラエル〕に対するパレスチナ人の闘争」などがテーマとなっている。

 〔今回の芸術祭に出品された〕具象芸術の数々を制作した芸術家やそれを観覧に来た人々によれば、今年の抵抗芸術祭は、作品のクオリティといった点でも、また出品者の出身国の数の点でも、昨年に比べて目に見える発展をみせており、同芸術祭が世界レベルで認知されていることを示しているようだ。

他のムスリム芸術家にインスピレーションを与えるイラン人芸術家たち

 この点について、この芸術祭の書記を務めるハビーボッラー・サーデギー氏は、〔‥‥〕「展示されている作品はどれもすべて、極めて高いレベルにあり、世界的なスタンダードで作られているものばかりだと、断言できる」と述べている。

 イラン芸術界の重鎮である同氏は続けて、「過去100年間の芸術の歴史を回顧すれば、世界は芸術の真の意味から乖離してしまったことを見て取ることができる。しかしイランでは過去30年間、イラン人の画家やデザイナーたちによってつねにメッセージ性のある芸術や応用芸術が求められてきた。そしてその最高の姿が、〔今回の〕抵抗芸術祭で見ることができるのである」と述べている。

 サーデギー氏はまた、「今回の芸術祭に参加した外国人芸術家らの作品、特にイスラーム諸国から送られてきた作品をみると、イラン人の画家やデザイナー、風刺画作家らのスタイルが、世界の他の芸術家たちに影響を与え、〔世界的な〕広がりをみせていることが分かる」とも強調している。

正義を希求する世界の人々

 画家であるモハンマド・メッマールザーデ氏は、「抵抗芸術」を「力にものを言わせる者たちや暴君たちの圧政に対する抵抗の芸術」として定義した上で、次のように述べている。「この定義から、抵抗芸術はグローバルな芸術であり、特定の場所や時代に限られるものではない。美しさや清らかさは世界のすべての場所で望まれ、反対に不浄は世界中でさまざまな国民の嫌悪の対象となるものだ」。

 また別の画家であるアブドルハミード・ガディーリヤーン氏も、抵抗芸術を本質的にグローバルな芸術だとの見方を示している。同氏によれば、「これ〔=抵抗〕は普遍的な概念である。その道は真理の優越性と虚偽の消滅を基本とするものであって、人類のすべての文化や社会で紛うことなきプラスの意味合いを持つ、グローバルな理想である。実際、正義の希求は世界のすべての人にとって共通のものである以上、抵抗芸術も世界のすべての人に帰属するものなのである」。

〔‥‥〕

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( 翻訳者:8409161 )
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